先週、入院中だった父が死に…いや、死去…いや、逝去しました…?
要するに「父が死んだ」ということを伝えたいんですが、「死ぬ」にもいろいろな表現があって、どう伝えるのが正解かわからなくなってきました!
お父さん、残念だったわね。
誰かが亡くなると、その事実を親戚・友人・会社関係そして役所や年金事務所・保険会社などたくさんの人に伝える必要があります。
そんな時に、どの言葉を使って「死」を伝えるのが適切なのか、迷ってしまうわよね。
そうなんです!
死去・逝去・死亡・永眠など、「死」を表す言葉はたくさんありますが、どのように使いわけるのかまったくわからないんです!
私も以前、勤めていた会社の会長が急死した際、それを出張中の上司に伝えなければならなかったのですが、
「会長がお亡くなりになられ…?」
「会長が永眠されまして…?」
とどのよう表現を使えば失礼にならないのかわからず困った経験があります…。
ここでは、「死」を表す次のような表現について、意味や使い方を含め
- 逝去
- 死去
- 永眠
- 死亡
などの他にも、人が亡くなった時に使える表現を紹介しつつ、実際使う際に助かるシチュエーション別言葉を紹介しますね。
逝去と死去の違いは?
漢字が似ているからといって、使い方も同じとは限らないわよ!
まずは、簡単に逝去と死去の違いをみてみましょう。
- 逝去(せいきょ)…「死」を表す尊敬語
- 死去(しきょ)…「死」を表す通常の言葉
逝去とは?意味や使い方は?
「逝去」は、身内以外の死に対して使う尊敬語です。
尊敬語といっても、目上の方だけでなく、友人や知り合いに対して使ってもOK。
「ご逝去」とするとさらに丁寧な印象になりますね。
- 佐々木様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみを申し上げます。
- 町内の山田さんが逝去されました。
死去とは?意味や使い方は?
「死去」は、「死」を表す通常の言葉で、おもに身内の死に対して使われます。
ニュースや新聞などで著名人の死を報道する際にも使われますね。
- 作家の○○氏が死去 92歳
- 入院中だった祖母が、先ほど死去いたしました。
永眠・死亡はどう違う?
- 永眠(えいみん)…「死」を遠まわし・情緒的に伝える表現
- 死亡(しぼう)…「死」を事務的に伝える表現
永眠とは?意味や使い方は?
「永眠」は、身内や他人の死を遠まわしに伝えたい時に使います。
ただし、亡くなった直後には使わず、死後数日から数年経っている場合に使いましょう。
- 昨年9月に父が永眠いたしました。
- ご生前のご厚情に深く感謝いたしますとともに、安らかなご永眠をお祈りいたします。
死亡とは?意味や使い方は?
「死亡」は、身内や他人の死を感情込めずに伝えたい時に使います。
事件・事故の報道や医学的な記述などで、事務的に「死」を伝えたい場合にも。
- 昨日の爆発事故で、3人が死亡しました。
- 先月は、交通事故による死亡者数が0人でした。
ここでちょっと、逝去・死去・永眠・死亡でもっとも丁寧な言葉は何かっていうのを理由と共に説明するわね。
「逝去・死去・永眠・死亡」もっとも丁寧な言葉は?
ズバリお伝えすると、「逝去」が死を表す言葉としてもっとも丁寧な尊敬語にあたり、お世話になった方・先輩・目上の方などの死を表現するのに適しています。
つづいて、情緒を含めた永眠、死亡をより丁寧にした死去という順です。
でも、人の死を表す言葉は、まだまだたくさんあるのよ。
その一部を、これから紹介するわね。
他にもある!亡くなったことを意味する言葉
- 他界(たかい)
- 天寿(てんじゅ)をまっとうする
- 大往生(だいおうじょう)
- 崩御(ほうぎょ)
他界
身内の死に対して使うことの多い「他界」という言葉。
死後数日から数年経っている場合に使います。
- 父は2年前に他界しております。
天寿をまっとうする
天から授かった寿命を生き尽くして亡くなったというニュアンスになります。
十分に長生きして亡くなった場合に使うことが多いですね。
お悔やみを伝える際にこの言葉を使うと、「もっと長生きしてほしかったのに…」と不快に感じる遺族もいるかもしれないので、注意しましょう。
- 私の曾祖母は100歳まで生き、天寿をまっとうして亡くなりました。
大往生
少しの苦しみもなく安らかに死ぬことを意味します。
また、「立派な死に方」という意味で使われることも。
- 臨終に立ち会った姉によると、母は眠るように息を引き取り、大往生を遂げたようだ。
超高齢者が亡くなると「天寿を全うされましたね」とか「大往生ですね」と言う人がいる。しかし、家族にしか分からない思いがあるので、安易な言葉掛けはNGだ。いくつになっても、長生きして欲しい、元気でいて欲しいと願う人もいる。当たり前だが、患者さんには元気で長生きして欲しい😎
— Sun&Moon@緩和ケア医/Palliative medicine (@MedicineSun) 2019年2月7日
崩御
天皇陛下・皇后・皇太后・太皇太后などがなくなった時に使い、「逝去」をより丁寧にした表現になります。
- 明治天皇が崩御したのは、明治45年7月です。
シチュエーション別の最適な言葉は?
- 家族の死を仕事関係者に伝える・・・「死去」「亡くなり」「永眠」「大往生」「天寿をまっとう」
- 恩師の死を大勢の前で知らせる・・・「逝去」「永眠」「天寿をまっとう」
- 町内の方の死を町内会回覧で知らせる・・・「逝去」「お亡くなり」「永眠」
- 友人の死を別な友人に伝える・・・「亡くなった」「他界」
- ニュースで見た芸能人の死を友人に教える・・・「死亡」「亡くなった」「他界」
など。
亡くなった方との関係・伝える相手に応じて使い分けるといいでしょう。
挨拶例文をまとめた記事がありますので、参考にしてください。
まとめ
それでは、人の死を表す言葉について、まとめておきますね。
- 逝去…尊敬語・身内以外が亡くなった時に使う
- 死去…通常の言葉・身内が亡くなった時に使われることが多い
- 永眠…婉曲表現・死後数日から数年経った場合に使う
- 死亡…感情を込めずに死を伝える際に使う・報道や手続きなどで使われることが多い
- 他界…婉曲表現・身内の死後数日から数年経った場合に使う
- 天寿をまっとうする…十分長生きして亡くなったことを表す
- 大往生…苦しまずに亡くなった際や立派な死に方だった際に使う
- 崩御…天皇陛下・皇后などが亡くなったことを表す・「逝去」をさらに丁寧にした表現
誰が亡くなった時に使うのか、いつ使うのかなど、シチュエーションを考えながら言葉を選ぶ必要がありますね。
私も、身内以外の方が亡くなった場合はとくに、遺族へ失礼にならないよう言葉選び、気をつけます!