葬儀では喪主の挨拶がありますが、これを喪主以外の人が代理で挨拶をすることも・・・。
代理が挨拶をする場合、どんなことに注意して話したらいいのかしら?
喪主がやる場合は、結構マニュアルなんてわかりやすいと思うけど、代理の場合失礼があってもいけないし悩むのわかるわ。
祖父が亡くなった時も、喪主の祖母ではなく、親戚のおじさん(祖父の姉婿)が挨拶を代行しました。
慣れている方は、当たり前のようにスムーズにこなせるものの、これがはじめてだと必要以上に悩んじゃいますよね。
そこで今回は、喪主の代理で挨拶をやる場合
- 注意点
- 例文
など、真似して使えるあれこれを説明したいと思います。
喪主の代理で挨拶をやる!注意したい12点
- 自己紹介を入れる
- 聞き手が救われる気持ちになる表現を
- 間をとってゆっくり話す
- 故人をたたえるときは、謙遜表現をプラス
- 「大往生」「天寿をまっとう」を使えるのは遺族だけ
- 具体的な病名は伏せてもいい
- 「ご多忙」は現役世代に
- 高齢者世代には「ご多用」
- 死亡という言葉は使わず、ソフトに言い換える
- 長くなりすぎない
- 忌み言葉に気をつける
- 通夜挨拶では告別式の日時を伝える
自己紹介を入れる
喪主でもない人が出てくると、「この人は誰なんだ?」
と感じるのが、参列者の第一印象になります。
そのため、まずは自己紹介をかね、自分と故人の関係を述べるといいでしょう。
聞き手が救われる気持ちになる表現を
闘病のツラさ、家族の苦労を述べてしまうと、皆が暗い気持ちになってしまいます。
涙を誘うだけでなく、喪主など聞いている人たちが救われる気持ちになる表現をすると、
「この人に喪主の代理挨拶を頼んでよかった。」
と思ってもらえるでしょう。
間をとってゆっくり話す
喪主の代理だからといって、事務的に手紙を読み上げるような挨拶はすすめられません。
印象的なフレーズや故人の思い出や言葉を話すときは、話す前に間をとりゆっくりとることで、聞いている人たちに伝わりやすくもなります。
故人をたたえるときは、謙遜表現をプラス
喪主の代理で挨拶をするといっても、これは参列者にお礼を述べる意味も兼ねているため、
「身内がいうのも恐縮ですが」(代理が身内の場合)
などの謙遜表現をプラスしたりするといいでしょう。
「大往生」「天寿をまっとう」を使えるのは遺族だけ
よく使いがちな「大往生」や「天寿をまっとう」。
実はこの言葉、遺族だけが使える言葉なんです。
これを遺族以外が使ってしまうと、悲しみは年齢に関係ないのに・・・と失礼な受け取り方をしてしまうことも。
配偶者や子供など、近しい遺族が喪主をしてこの言葉を使うのはいいものの、代理の場合はやめておきましょう。
具体的な病名は伏せてもいい
参列者は、死因が気になっている方も多いかもしれませんが、それを挨拶内でいう必要はありません。
具体的な病名や死因はあえて伏せ、ぼかした表現にすることをオススメします。
病名や死因を口にすることで、遺族は
「なんでそこまでいうの?」
などと思うこともありますし、悲しみが余計広がってしまいますからね。
喪主が挨拶を述べる場合は、この死因や病名を述べるのにそこまで気を使う必要はありませんが、これは代理ならではの問題です。
ここは家族の思いもあるので、喪主と事前に話してもいいのか相談をしたり、あえてここには触れないほうがいいでしょう。
「ご多忙」は現役世代に・高齢者世代には「ご多用」
先ほど、喪主の挨拶(代理であっても)は参列者にお礼を述べる意味も兼ねているといいましたが、ざっと会場を見渡し
- 現役世代が多い場合は、「ご多忙の中」
- 高齢者世代が多い場合は、「ご多用の中」
という表現を使うといいですが、どちらにも通用するよう「お忙しい中」という言葉が年齢層に関係なく通用しますよ。
死亡という言葉は使わず、ソフトに言い換える
死亡という言葉を使ってしまうと、冷たく心に突き刺さってしまいます。
そのため、死亡をソフトに言い換えた
- 旅立った
- 生涯を閉じた
- 永眠した
- 他界した
- 帰らぬ人となった
などという言葉にするといいでしょう。
長くなりすぎない
挨拶の時間は、3〜5分程度が理想です。
長くなりすぎると、聞く側も疲れてきますし、短すぎると「喪主じゃないから」と寂しくも感じてしまいます。
ゆっくりとしたペースで、800字〜1300字ほどの言葉がいいでしょう。
忌み言葉に気をつける
重ね言葉や繰り返す言葉は、基本NGです。
- 重ね重ね
- 度々
- しばしば
- 次々
- ますます
- 再び
- つづく
などは、使わないようにしましょう。
通夜挨拶では告別式の日時を伝える
喪主の挨拶は、告別式だけではありません。
通夜の場合ですと、告別式の日時を伝える必要があり、
「葬儀告別式は、明日の午後1時より、当斎場にてとり行います。」
などと挨拶の中で、最後の締めくくりの前に伝えましょう。
喪主の代理で挨拶!関係別挨拶例文を紹介
ますますどんな挨拶をしたらいいのか、悩んできたわ。
子供(娘)が述べる挨拶
「本日はお忙しい中、父○○のためにご会葬いただきくださいまして、誠にありがとうございました。
父は3日前に自宅で突然倒れ、そのまま帰らぬ人となってしまい、家族も心の整理がついておりません。
そのため、喪主に代わりまして、娘の私が挨拶を述べさせていただきます。
○○歳の父は、日頃から体を動かすのが好きで、私も子供の頃から父に付き合いさまざまなマラソン大会に参加してきました。
私が途中リタイヤしそうになると、本来ならタイムを少しでも縮めたいはずの父なのに、「ムリせずゴールすることを目標に頑張ろう!」
と励ましながら私に付き合ってくれ、ゴールできた時には抱き合って喜び合ったのを覚えています。
そんな父が突然こんなことになるなんて、まだまだやり残したこともあったでしょうが、父のことですから天国から私の頑張りをともに寄り添うよう見守ってくれていることでしょう。
突然のことにもかかわらず、本日はこのようにたくさんの方にご参列いただきましたこと、あらためてお礼申し上げます。
父も笑顔でこの様子を見ていることでしょう。
本日は誠にありがとうございました。」
これを自分の思い出に置き換えることで、挨拶文が出来上がります。
思い出や故人への思いなど、自分の言葉で伝えると、聞いている人の心にもしっかり届くと思いますよ。
親戚(叔父)が述べる挨拶
「遺族ならびに親族を代表しまして、故人の叔父から一言挨拶を申し上げます。
本日は、故・○○ ○○の葬儀・告別式にご会葬賜りまして、誠にありがとうございます。
○○は小さな頃から明るく元気、太陽のような子で、たまにしか会わない私にも人見知りすることなく飛び込んでくるような子でした。
成人してからも、その明るく元気な姿はかわらず、いつ会っても気持ちのいい青年でした。
それが、不慮の事故でこんなことになってしまうとは、親族一同耐え難い無念さで胸が詰まる思いです。
しかし、一番無念なのは○○本人でしょう。
○○が生前大変おせわになりましたみなさまには、あらためてお礼申し上げ、挨拶とさせていただきます。
本日は誠にありがとうございました。」
事故であっても、その内容を事細かに話す必要はありません。
親族の気持ちを考え、無念さを抑えた挨拶としましょう。
参考文献:
心に響く 葬儀・法要のあいさつと手紙きちんとマナーハンドブック
喪主ハンドブック-90分でわかる!
最後に
まとめます。
注意点はこの12点。
- 自己紹介を入れる
- 聞き手が救われる気持ちになる表現を
- 間をとってゆっくり話す
- 故人をたたえるときは、謙遜表現をプラス
- 「大往生」「天寿をまっとう」を使えるのは遺族だけ
- 具体的な病名は伏せてもいい
- 「ご多忙」は現役世代に
- 高齢者世代には「ご多用」
- 死亡という言葉は使わず、ソフトに言い換える
- 長くなりすぎない
- 忌み言葉に気をつける
- 通夜挨拶では告別式の日時を伝える
どこまで話していいのかは悩むところですが、喪主の気持ちを考え、悲しみを倍増させる表現は避けつつ、素直な気持ち(故人を忍気持ち)で述べるといいでしょう。