この前参列した仕事関係の葬儀で、もう火葬されてあってビックリしたんだけど。
これって、いわくありげな亡くなり方だったのかしら?
え?
どうしてそう思うの?
ちょっと待って!
そんなことを言っちゃ危ない危ない。
実際、葬儀よりも火葬が先って結構あるのよ。
え?
本当に?
先日、友達との会話で、上記のような話題が出ました。
でも、こういう勝手な憶測・・・大変危険なんです。
下手に誰かの耳に入ってしまうと、マズイことにもなっちゃいますからね。
そこで、葬儀よりも火葬を先にやる場合について
- どんな時?
- 地域性
- 体験談
- メリット・デメリット
などを、お話ししていきたいと思います。
葬儀より先に火葬をやる場合とは?
葬儀よりも先に火葬が行われ、葬儀ではお骨を祭壇に安置して行うものを「骨葬」といいます。
この骨葬は、
- 遺体の損傷が激しい
- 遠方で亡くなった
- 先に家族葬が行われた
- 葬儀と火葬の予約可能時間に合わせて
など、さまざまな理由で、火葬が先に行われることもあるのです。
遺体の損傷が激しい場合
事故などによって遺体の損傷が激しい場合や、死後時間が経過し、腐敗が進んでしまっている場合など、先に火葬をすませることがあります。
本来ご遺体を棺に入れた状態で葬儀は行われますが、その際お顔の部分だけは見ることができるよう開けてあることが多いでしょう。
ただ、ご遺体の損傷が激しいと遺族側が見せたくないと思うこともありますし、参列者への配慮から火葬を先に行うことを選択するのです。
遠方で亡くなった場合
遠方で亡くなった場合、エンバーミング(遺体を長持ちさせる処理)を行い輸送して、葬儀を行うこともあります。
ただ、それだけ費用や手間もかかる上に、日数に限りもあり、先に火葬をすませてしまう場合も多くあるでしょう。
詳しくはこちらをご覧ください。
先に家族葬が行われた場合
故人や家族の意向により、密葬や家族葬が行われる場合もあります。
そして、その後本葬・社葬などとなった場合、本葬や社葬では骨葬となることが一般的です。
順番としては、密葬・家族葬→火葬→本葬・社葬という流れで行われます。
葬儀と火葬の予約可能時間に合わせて
葬儀がたてこんでいて葬儀場の予約が取れない場合、別な葬儀場を検討することもあると思いますが、中にはどうしてもその葬儀場でやりたいと決めている場合も。
そんな時、葬儀を行うまでに時間が経過してしまうので、火葬→通夜→葬儀などという順番で行われることもあります。
また、火葬場が混み合っていて予約が同じように取れない場合、この火葬時間を前後させ、通夜→火葬→葬儀などという順番になることもあるでしょう。
地域によっては火葬を先にするのが当たり前?
- 東北
- 中国
- 九州
などの一部地域では、葬儀より先に火葬(骨葬)が行われることが多くあります。
これは宗教というよりも、地域性によるものなので、その慣習にならって行われ、上記で説明したような理由は当てはまりません。
そうなんです。
実際、このような体験談もあります。
それと、私の住んでいる地域では当たり前のことなんだけど、先に火葬してから通夜、そして告別式なんだよね。だから顔を見たければお通夜より前に会いに行くしかないの。他の地方からお通夜に来た人がもう骨になって顔を見れなかったことを残念がっていたんだけどそれが普通なのかな。
— 凛音@練習は大事 (@rion19xx) 2018年12月21日
実際、骨葬が当たり前な地域に住む方にとっては、ご遺体のある葬儀の方が違和感あるかもしれませんね。
ん?岐阜は前火葬?
つか、前火葬自体初めて聞いたんだけど…そうか、そういう風習もあるのか…
だとしたら葬式金曜日だと困るな…金曜日私健診だから娘は預けようと思ってたのに…いくらあの長いトンネルが開通したといえども高山遠いわ…
— みみら (@mimitabumimira) 2018年10月29日
火葬をした後での葬儀を骨葬といいますが、火葬を先に行うこと自体を「前火葬」といいます。
岐阜でもそういう風習があるんですね。
宗派は特に関係ないらしく、長野県中南部と東北地方や山陰地方に骨葬は多く見られるようです。
— おびちゃん@信州松本 (@CtvTub53) 2019年1月12日
長野県もだそうです。
熊本は骨葬が多いよ
— はの (@sy17_ls) 2017年4月3日
私も、一度熊本の話を聞いたことがあります。
火葬を先にするメリット・デメリットは?
メリット
- 葬儀の日程を調整しやすい
- 搬送の費用を抑えることができる
- 葬儀を行う場所の選択肢が広がる
先に火葬が済んでいると、遺体を保存するエンバーミングが必要なくなるため、日程は都合に合わせて調整しやすいです。
また、骨壺はそう大きなものでないため、搬送にかかる費用や、葬儀場以外で葬儀を行う選択肢の幅も広がるでしょう。
デメリット
- 参列者が最期のお別れができない
- 勝手な憶測を立てられる
「葬儀で最期のお別れをしたい」と思っている方、非常に多いと思います。
「棺の中に故人の好きだったものを入れたかった」また、「最期に一目顔を見たかった」など、火葬は葬儀後と思っている人は非常に多いので、ここに違和感を抱かれるかもしれません。
また、冒頭のような勝手な死因に関する憶測を立てられる可能性もありますからね。
そうですね。
ただ、地域性などもあるため、勝手な憶測でものを言い、恥をかかないようにしたほうがいいでしょう。
最後に
まとめます。
- 遺体の損傷が激しい
- 遠方で亡くなった
- 先に家族葬が行われた
- 葬儀と火葬の予約可能時間に合わせて
などの理由で、先に火葬を行う場合もあるが、東北などの地域によっては先に火葬を行うのが当たり前な場合もある。
火葬を先に行う場合、
- 葬儀の日程を調整しやすい
- 搬送の費用を抑えることができる
- 葬儀を行う場所の選択肢が広がる
などのメリットもあるが、
- 参列者が最期のお別れができない
- 勝手な憶測を立てられる
などのデメリットもあるでしょう。
これが地域性の場合、別な地域から引っ越してきて知ることもあるでしょう。
そのため、先に火葬が行われていることを変に怪しんだりすると、人柄を疑われてしまうようなことにもなりかねません。
また先に火葬が行われる場合、その火葬前に故人とお別れしたいと申し出たり、一緒に火葬してもらいたいものを持って行くのは、そのご家庭によって考えが違うこともあると思います。
その場合、電話で喪主に相談してみるのがいいかもしれませんね。