仏教の中でも色々な宗派があって、それによって違いがあるから、宗派まで確認しておいた方がいいわよ。
同じ仏教でも違いがあるって、何が違うわけ?
自分が仏教だろうということはわかっていても、その中の宗派までを把握していない方、多いですよね?
私は、実家の宗派は祖父母の葬儀に参列していた経験があったので知っていましたが、結婚した主人の宗派までは知りませんでした。
でも、先日知人から「友達のご主人が急に亡くなって、義父母さんも亡くなっているし、宗派がわからず慌てたらしいわよ。」という話を聞きハッ!
私も、もしもの時は困る・・・そう思ったのです。
そこで今回は、知っておきたい仏教の宗派について
- 基本的な違い
- 作法の違い
- 仏教の歴史
などをわかりやすく解説したいと思います。
仏教の宗派!基本的な違い
仏教とは、インドの釈迦を開祖とする宗教で、日本には欽明天皇の時代に伝来したといわれています。
そして、仏教の中でもさまざまな宗派が存在し、1940年の宗教団体法公布以前には、13宗56派が公認され現在でも伝統仏教の13宗の系譜は引き継がれているんです。
ただし、さらに細かくいうと、多くの派生が存在し、それは数え切れないほど・・・。
では、その13宗を挙げるわね。
- 華厳宗
- 法相宗
- 律宗
- 真言宗
- 天台宗
- 日蓮宗
- 浄土宗
- 浄土真宗
- 融通念仏宗
- 時宗
- 曹洞宗
- 臨済宗
- 黄檗宗
これらの宗派は、「奈良仏教系」「密教系」「法華系」「浄土系」「禅系」などの系統に分かれています。
奈良仏教系
学術的要素が強く、檀家制度が導入された江戸時代以前にできたもので、檀家などが存在しません。
- 法相宗・・・奈良仏教系の中心的存在で、「唯識三年倶舎八年」という思想
- 華厳宗・・・「事法界」「理法界」「理事無礙法界」「事々無礙法界」この、4つの世界が重なり合って存在していると考え
- 律宗・・・経・律・論のうち律を中心とする考え
密教系
仏教がお釈迦さまを主尊とするのに対し、密教は大日如来を主尊とされています。
- 真言宗・・・「仏のような心で」「仏のように語り」「仏のように行う」という考え
- 天台宗・・・円・戒・禅・密を合体させた総合的な仏教で、「身分の上下に関係なく、死後は同じ1つの乗り物に乗り仏の世界へと生まれ変わることが出来得る」という考え
法華系
鎌倉時代に日蓮によってはじまった仏教で、日蓮法華宗ともいわれ、日本人の宗祖の名前が宗派名となっている唯一の宗派です。
- 日蓮宗・・・題目を唱えれば、即身成仏できる「唱題成仏」
浄土系
日本でもっとも多いのがこの浄土系で、「平生業成」平生、生きている時が大事という教えがあり、『
- 浄土宗・・・人格を高め、社会のためにつくし、明るい安らかな毎日を送り、お浄土に生まれることを願う
- 浄土真宗・・・阿弥陀さまの本願を信じ、念仏申せば仏となる
- 融通念仏宗・・・「一人一切人・一切人一人・一行一切行・一切行一行・是名他力往生・十界一念・融通念仏・億百万遍・功徳円満」という教え
- 時宗・・・「南無阿弥陀仏」という念仏を唱えることで、極楽浄土へ旅立つことができるという教え
禅系
自己の仏性を内観することが目的の仏教の一派で、仏心宗ともいい、坐禅といえば禅系で、坐禅を重んじる宗派です。
- 臨済宗・・・日常のすべてが修行であるとし掃除、畑仕事などの労働も重んじられている
- 曹洞宗・・・他人への思いやりを持つ
- 黄檗宗・・・「唯心の浄土・己身の弥陀」阿弥陀仏や極楽西方浄土を求めるならば、まずは自分自身の心の中に仏性を見出すことが大切
実際、宗派によって葬式などではどう違ってくるのか、次で説明します。
仏教の宗派!葬式での違いは?
仏教とひとえにいっても、教えは多種多様で、宗派の中でも葬式でもっとも差があるのが・・・奈良仏教系です。
奈良仏教系は学問宗であるため、お葬式は行わないのが基本ですが、どうしても行いたい場合には浄土宗などにお願いし、その作法に基づき行われます。
また、宗派によって、お経・数珠も違うので、それぞれ見ていきましょう。
お経の違い
- 天台宗・浄土真宗・・・南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)
- 真言・・・宗南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)
- 日蓮宗・・・南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)
- 臨済宗・・・南無釈迦牟尼仏(なむしゃかむにぶつ)
- 曹洞宗・・・南無釈迦牟尼仏(なむしゃかむにぶつ)
数珠の違い
- 天台系・・・扁平な平玉(みかんのような形)が特徴で、主玉:108個・親玉:1個・四天玉:4個で構成され、親玉から連なる房には、20の平玉と10の丸玉
- 浄土真宗・・・房が蓮如結びになっていて、数珠の形にこだわりはないが、主玉:108個、親玉:2個、四天玉:4個で構成され女性は二連にして持ち、男性は一連の数珠に紐房を付けたものが主流
- 日蓮宗・・・祈祷する際に、木剣と念珠を組み合わせたものを打ち鳴らすため、黒檀や紫檀などの丈夫な材質が多くあるが水晶などさまざまな素材でもOK
- 浄土宗・・・2つの輪を一つに繋いだような形状で、水晶のみの108珠の数珠
- 禅宗系・・・主珠が百八個の一連珠数を二重にして用い、曹洞宗と臨済宗は同じ形だが、曹洞宗のみ金属輪がつく
というように、形や持ち方も違います。
他にもある!宗派による違い
ただ、ご自分の宗派がわからないという方、いらっしゃると思います。
その際は、こちらの記事を参考にしてください。
最後に
ポイントをまとめます。
現在日本では、大きく分けて以下の13宗派がある(細かく分けると、もっとたくさん)
- 華厳宗
- 法相宗
- 律宗
- 真言宗
- 天台宗
- 日蓮宗
- 浄土宗
- 浄土真宗
- 融通念仏宗
- 時宗
- 曹洞宗
- 臨済宗
- 黄檗宗
宗派は、「奈良仏教系」「密教系」「法華系」「浄土系」「禅系」などの系統に分かれ、それぞれ異なる。
宗派により、葬式・お経・数珠・仏壇・戒名・お墓なども違う。
このように宗派によって違いがあるのがお分りいただけたかと思います。
そのため、自分の宗派を知っておくことは大切なのです。