戒名といっても、ピンキリだし、そこらへんは安く済ませたほうがよくないですか?
戒名ってそんなに高いんね?
じゃあ、仏壇を立派なのにして、戒名は安く済ませてちょうだいな。
戒名についてお悩みのけいこさん。
こんなけいこさんのように、戒名を少しでも安く済ませたいとお思いの方、いらっしゃるのではないでしょうか?
そこで今回は、戒名について
- 必要性
- 相場
- 安く済ませる方法
- 持たない選択肢
というあれこれを、葬儀屋勤務歴23年の儀さんに、わかりやすく解説していただきたいと思います。
戒名についてお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
そもそも戒名は必要?
戒名は、宗教上の呼び名として授かるもので、仏教では戒名を持ってあの世に行くのが基本です。
ただし、戒名は亡くなった人のみが与えられる名前ではなく、仏門に入った人(お坊さん)が授かる名前としてもあります。
これを生前戒名というんです。
ちなみに・・・仏教の中でも浄土真宗では「法名」、日蓮宗では「法号」という呼び方をされているんですよ。
そして戒名は多くの方がご存知の通り、あの世で使う名前として、戒名があることで仏の世界へ入ることが許されるという意味を持ちます。
つまり、戒名=魂の名前・お釈迦様の弟子となった証。
そのため、仏教であれば戒名があるのが当たり前という認識となっているんですが、中には戒名を持たないという選択をする方もいるんです。
しかし、戒名を持たない=仏教の形式でお葬式が成り立たない、仏教の(菩提寺)お墓には入れないといった問題が生じてしまいます。
そのため、
- 仏教ならば戒名があるのが基本
- 戒名をつけないならば、仏教の形式でお葬式をしない・仏教のお墓に入らない
と思っていただいていいでしょう。
戒名の相場は?
だいたい戒名っていくらくらいするものなの?
戒名と一つにいっても、ランクがあり、それによって値段が違います。
そのため、安いものでは数万円から、高いものでは100万円以上することも。
ただ、その中でも30万円くらいの戒名が相場となっているようです。
一方で、「戒名 値段」で検索をするとこうした金額表のあるサイトにすぐヒットする。
「坊さんや地元の葬儀社には聞きづらい」と思った人がこちらを見て、「安いといっても20万。そんなら法名なんて全くいらない」と判断されるケースも多かろう。 pic.twitter.com/JGdaXWumOh
— 大垣教区大泉寺 (@NishiminoDaisen) 2019年2月18日
それって、ヘン。
でも両親は不承不承。
繋がりがあるから、下手に断れないという感じです。
菩提寺に50万。上のお寺に80万。合わせて130万です。
お坊さん一人につき10万円の費用で、葬儀の際には5人来ました。
戒名料は20万〜30万程でした。— あきら (@Ting58502181) 2018年3月20日
戒名を安く済ませるのは?
安く済ませる方法ってないのかしら?
- 安く戒名をつけてくれるお寺を探す
- 生前戒名をもらう
- 自分で戒名をつける
安く戒名をつけてくれるお寺を探す
菩提寺がないというのが前提ですが(もめると葬儀の際に困るので)、
- 片っ端から電話で問い合わせる
- ネットで尋ねる(「安く戒名をつけてくれるお寺をご存知ですか?」と質問する)
- ネットで戒名を買う
などという方法があります。
そんなのがあるの?
お坊さんを手配し、書面にて戒名を授与してもらうというもので、書面にて伝えられた戒名を位牌に書き入れてもらうというサービスもまたネットで販売されています。
2万円で戒名を授与してもらえるというのは、もらえる戒名では最低額と考えていいでしょう。
そして、位牌などに戒名を書き入れてもらうのはまた別料金となります。
必要なものに書き入れてもらう感じですね。
生前戒名をもらう
生きている間に、戒名をつけてもらうことが僧侶でなくとも実は可能です。
その場合、亡くなってからつけてもらう戒名よりも若干安く設定してあるところが・・・。
ただし、菩提寺によっては他でつけた戒名があると葬儀やお墓(納骨堂)に入ることを拒否されることもあるので、事前に確認しておくなど注意は必要でしょう。
高徳院護法忍道居士というのは、父が自分で考えて坊さんにつけてもらった生前戒名だ。法を護り道を忍ぶというのが父の生き様だったのだろう。俺には耳が痛い。これは仮の位牌で、母と二人で一つになったものを注文しようと思っている。 pic.twitter.com/dCfFGRCXQg
— 佐藤龍一 (@RyuichiSato) 2017年2月1日
こちらの方は、菩提寺との付き合いがそれなりにあった方でしょうが、お坊さんと一緒に考えるという方法もありますね。
自分で戒名をつける
実は、戒名の決まりさえ守れば、自分で戒名をつけることも可能なんです。
ただし、こちらも菩提寺がある場合そちらの理解が必要不可欠ですが、親族などの理解も必要な上、ある程度決まり(戒名の付け方)を守った上でとなります。
戒名がない人もいる?
でも、そもそも戒名がない人ってのはいないのかしら?
戒名がないとあの世には行けないとか?
そのため、戒名を持たない人はたくさんいらっしゃいます。
- 無宗教
- 神道
- キリスト教
- 創価学会
- 天理教
など(他にもありますが)、仏教以外では戒名がないところがほとんど。
中には、戒名を持たなくていい・葬儀を安くあげたいという理由から、無宗教葬をされる方も増えているのです。
最後に
ポイントをまとめますね。
- 戒名は、宗教上の呼び名として授かるもので、仏教では戒名を持ってあの世に行くのが基本
- 戒名=魂の名前・お釈迦様の弟子となった証
- 戒名がなければ、お墓・納骨堂・葬儀を菩提寺に断られることも
- 戒名にはランクがあり、数万円〜100万円ほどまでさまざまだが、30万円ほどの戒名をつける人が多い
- 安く戒名をつけてくれるお寺を探す、生前戒名をもらう、自分で戒名をつけるという方法もあるが難点も
- 仏教以外では戒名がないところがほとんど
- 戒名を持たない無宗教葬を、という選択肢もある
高価なものであるがゆえ、ありがたさも感じる戒名。
たしかに、戒名を持たなければそれだけ費用もおさえられますし、お坊さんを呼ばなければ無宗教葬として安く済ませることもできます。
実際そういう人が増えてきている現状ではありますが、入れる納骨堂・お墓問題もあり、簡単に「じゃあいらない」とはいかない現状でしょう。