たしかにそのイメージは強いけど、故人の遺志は尊重したいわよね。
死装束でもいろんなケースがあるから説明するわね。
死装束は白い着物というイメージが一般的。
故人が生前、白い着物以外がいいと言っていた場合は、最後に身につけるものくらい考慮したいものです。
ですが、
「実際に死装束は白じゃなくていいの?」
「おしゃれな服でも問題ないの?」
などと気になりますよね。
そこで今回は死装束に関する
- 意味
- 左前にする理由
- 着物以外に必要なもの
- 着物じゃないといけないの?
などについて説明します。
ぜひ参考にしてくださいね。
死装束とは?意味を解説
色1つにしても意味があるのよ。
説明するわね。
死装束とは、納棺する前に亡くなった方に着せる着物のことで、「しにしょうぞく」と読みます。
経帷子(きょうかたびら)と呼ばれている白色の着物で、従来の着物とは逆の左前にして着せます。
(左前についてはあとから説明しますね。)
本来、経帷子は仏教の巡礼や修行僧のための衣装で、亡くなった人の衣装ではありませんでした。
仏教では、亡くなった後の極楽への旅立つ衣装として経帷子が相応しいと考えられて、着せられるようになったと考えられています。
また、まっすぐにこの世からあの世に行けるようにという願いから、縫い目の糸止めがされていません。
ただし、すべての仏教が死装束を着るわけではないので、葬儀を頼む会社に確認しましょう。
死装束が白い理由
死装束が白いのには、いくつか説があります。
- 白の対照色である赤が誕生という意味を持っている。
- まっさらな状態で極楽浄土へむかうため。
など諸説あります。
白の対照色である赤が誕生という意味を持っている
赤は誕生という意味があって、赤ちゃんなど文字通りですよね。
その反対色である白は死を表現する色で、死装束もそのイメージで白が相応しいと考えられるようになったといわれています。
まっさらな状態で極楽浄土へむかうため
きれいな状態、いわゆるまっさらな状態で極楽浄土に向かうためという説があります。
白は何にも汚れていないということから、死装束が白になったともいわれているんですよ。
左前にする理由は?着せ方を含め解説
よく気づいたわね。
着物や浴衣を着る機会は減ったけど、死装束と同じように着てしまったら恥ずかしいわよ。
説明するわね。
死装束は左を前にして着ますが・・・
一般的には、この世と極楽浄土に向かうあの世では「逆の世界なので死装束も逆に着せる」といわれることから左を前にして着せます。
そうすることで、故人と生きている人の区別をしているという説も・・・。
他にも、昔は上流階級の衣服は左前を着ていたことから、生まれ変わって左前の服が着れるような生活が送れますようにという思いも込められていた説などもあるんです。
普段、私たちが着ている着物や浴衣は右が前なので注意しましょうね。
【拡散希望】お祭りで浴衣の着方間違ってる人多すぎでした。共襟が逆なだけで、かわいく着飾っててもすべてが台無しです。自分の左手側が、上になるように襟をあわせましょう!右手側が上だと死装束になります。ちゃんと意味があるんです。お母さん、娘の浴衣の着方、ちゃんと見てあげて!!
— 朝方 (@asa_asagata) July 28, 2012
自分も子供に着せるときは、気をつけようと思います。
以前、着物好きな友達と浴衣を着て花火に行ったとき、左を前にして浴衣を着ている子を見かけたんですが「縁起が悪いって知らないのかしら?」と言われていました。
死装束の他に必要なもの
死装束は極楽浄土へ向かうための衣服です。
経帷子の他に、故人がその旅立ちに必要なものがいくつかあります。
- 笠(かさ)
- 杖(つえ)
- 手甲(てっこう)
- 脚絆(きゃはん)
- 白足袋(しろたび)
- 草履・わらじ
- 三角頭巾(さんかくずきん)
- 数珠(じゅず)
- 頭陀袋・六文銭(ずだぶくろ・ろくもんせん)
笠(かさ)
頭にはつけずに棺おけに入れます。
杖(つえ)
極楽浄土までの旅路で、倒れないようにとの願いをこめています。
手甲(てっこう)
手をまもる防具で、手首までのもあれば上腕部までのものも。
脚絆(きゃはん)
すねにまいて、足をまもるもの。
白足袋(しろたび)、草履・わらじ
今で言ったら靴下と靴の役割です。
三角頭巾(さんかくずきん)
閻魔大王の謁見では正装しなくちゃいけないので、これが必要になります。
数珠(じゅず)
お守りとして。
頭陀袋・六文銭(ずだぶくろ・ろくもんせん)
三途の川を渡るときに六文銭がいると考えられているので、頭陀袋にいれます。
最近では六文銭の印刷した紙を入れる場合が多いです。
死装束は着物じゃないといけないの?おしゃれな服で代用可能?
死装束って、絶対に経帷子じゃないとダメなの?
やっぱり、おばあちゃんの気持ちもあるから最後は好きな服を着てあげたいな。
最近は、故人から生前の要望や遺族から希望があれば、着物じゃなくても問題ありません。
現にうちの親の場合、若い頃によく来ていた柄物の着物を着ていましたし、親戚はお気に入りの洋服だったり、他にも働いていた白衣や制服を着ている人もいましたよ。
また、とくに要望などがないとき死装束は経帷子になります。
死装束の経帷子以外で
- お気に入りの着物
- 仏衣
- 神衣
- エンディングドレス
- 故人が愛用していた洋服
などよく聞きます。
終活でも聞くわよね。
説明するわね。
エンディングドレスとは、死装束の経帷子かわりになるドレスのことです。
デザインはあまり派手すぎない白や薄いピンクでフリルやオーガンジーを使ったタイプがおおいですが、中にはブライダルドレスを着る人もいるみたいですよ。
普通のドレスと違うところは、死後硬直の状態でもすんなりと着せることができるところです。
相場は6~30万円ほどで、靴や鞄もついてくる場合も。
こちら、176,000円。
水彩絵の具で描かれたような優しい色使いの花柄模様で、季節によって異なるお花のコサージュがついています。
こちら、108,000円。
優しいピンクの色使いで、顔を華やかに見せる効果があります。
今日はじめてエンディングドレスというものを知った。死装束をオーダーメイドでしつらえるそうな。自分の気に入った生地とデザインで人生の旅立ちを迎える。こんな素敵なのあったのね。終活幅広い。 pic.twitter.com/XjlEj5dIZY
— SHIKI (@Ki3_SHIKI_K8) February 23, 2017
昔からおしゃれだったばあちゃんの死装束も棺も、もんのすごい可愛い物を皆で選んだ。棺はピンクで、着物も白地に薄紫の柄入り。そしたら頭巾も角隠しみたいに見えてきて、なんだかお嫁さんみたいになった。死化粧も、オレンジのチークをちょっと濃くしてもらったりした!
— まふぃを (@swimmer_xx) July 6, 2013
遺族にみんなから考えてもらって、素敵ですね。
ただ、注意点として火葬する際に燃えないもの・燃えにくいものなど付属品を付けないようにしましょう。
中に入れてはいけないものについては、こちらを参考にしてください。
納骨の時に、遺骨がきれいな状態にならない可能性もありますので気をつけましょうね。
最後に
死装束についてまとめました。
- 仏教では、亡くなった後の極楽への旅立つ衣装として経帷子が相応しいと考えられて、着せられるようになったと考えられています。
- 死装束が白いのには、対照色である赤が誕生という意味・まっさらな状態で極楽浄土へむかうためなど諸説あります。
- この世と極楽浄土に向かうあの世では「逆の世界なので死装束も逆に着せる」といわれることから左を前にして着せましょう。
- 最近、故人から生前の要望や遺族から希望があれば着物じゃなくても大丈夫ですが、火葬する際に燃えないもの・燃えにくいものなど付属品を付けないようにしましょう。
いかがでしたか?
故人の最後に身につける服、できれば希望を聞いてあげたいものですよね。