喪主であっても香典を出したほうがいいのかしら?
一般的に、喪主は香典を出す必要はないとされているようだけど・・・
状況などで変わる場合もあるから、一概にはいえないのよ。
自分や配偶者が喪主となった場合、「香典はどうすればいいの?」と悩む方は多いようです。
しかし、この点に関して、あるポイントを知っておけば判断の決め手になります。
また、「香典が必要なら相場はどれくらい?」と関連する悩みも・・・
そして、「香典は相続税の対象になるのか?」この点も気になるのではないでしょうか?
そこで今回は、喪主の香典に関して、
- 香典を出すべきか
- 金額の相場
- 香典は相続税の対象になるのか
などを紹介しますので、参考にしてくださいね。
喪主も香典を出すべき?
一般的に、喪主は香典を出さなくてもよいとされています。
しかし・・・
「葬儀費用を誰が負担するか」により変わることもあり、一概にはいえません。
そこで、以下のように、誰が負担するかにわけて説明しますね。
- 施主
- 喪主
- 故人の遺産で出す
- 複数人で出す
それぞれ詳しく説明します。
施主の場合
その前に・・・
「施主」といわれてもピンとこないかたも多いと思いますので、まずは「施主」について説明しますね。
「施主」とは、葬儀の費用を出す人です。
個人葬では、喪主と施主が同じということが多いため、馴染みのない方も多いのではないでしょうか?
しかし、社葬などの場合、「遺族が喪主」、そして「会社が施主」となります。
そのため、個人葬で喪主と施主がそれぞれいることはあまりないかもしれません。
ただ、個人葬でも「施主」がいる場合も・・・
たとえば、母親が高齢であり喪主を務めることが出来ず、代理で息子や娘が喪主を務める。
しかし、その費用は母親が負担する場合、母親が「施主」となります。
それでは、施主は香典を出す必要はあるのでしょうか?
香典を包まないのが一般的です。
ただ、香典は必要ないが、供花は負担する風習がある地方もある様ですよ。
喪主の場合
しかし、「葬儀費用を誰が出すか」で変わるようなので、その点について知りたいです。
まず、繰り返しになりますが・・・
喪主が香典を包む必要はないと考えられています。
香典は葬儀費用の足しにしていただくためのものですから、その費用を負担することの多い「喪主」が香典を包む必要はないと考えられていますよ。
しかし・・・
上記でお伝えしたように、葬儀費用を負担する「施主」がいる場合、香典は「施主」へ宛てるので、喪主であっても香典を包みます。
また、 基本的に香典は個人単位ではなく、家単位で出すため、喪主の奥さんが別に出す必要はありません。
うちの場合、施主はいないので、やはり香典は必要ないですね。
故人の遺産で出す場合
葬儀費用を相続財産から出す場合、以下のようにいくつかケースが考えられます。
- 喪主以外の相続者全員が香典を包む
- 喪主を含む相続者全員が香典を包む
- 喪主を含む相続者全員が香典を包まない
このように、それぞれのご家庭により考え方は異なるため、一概にはいえないのが現状です。
葬儀費用を複数人で負担する場合
複数の兄弟姉妹が同格で喪主を務めるケースも。
この場合は、それぞれ等分に葬儀費用を負担し、その後の供養も役割を分担していきます。1)
このような場合、香典を出す、出さないを事前に話しあって決めることが多いようです。
もし出す場合は、皆で同金額にする方がトラブルの回避となります。
喪主の子供・兄弟姉妹も香典は必要?
祖父や祖母の葬儀で親が喪主となる場合、その子供は香典を出す必要があるのでしょうか?
また、父親や母親の葬儀で兄弟姉妹が喪主となる場合、残りの兄弟姉妹は?
それでは、喪主の
- 子供
- 兄弟姉妹
それぞれにわけて詳しく説明します。
喪主の子供
これは同居しているか、していないかなどでも違いがあります。
以下の表をご覧ください。
これらについて詳しく説明しますね。
社会人の独身であり、親と同居している場合
喪家の者は香典が必要ないと考えられる場合も。
しかし、一般的には成人して社会人の場合、香典は出すべきといわれています。
ただ、ご家庭により考え方は違いますので、喪主である親の意見に従うのが一番でしょう。
もし必要がないといわれた場合は、供花を孫一同で出したり、葬儀の際に喪主である親の手伝いを率先してするようにしてください。
社会人の独身であり、親と別居している場合
すでに親元を離れ独立しているのであれば、独身であっても香典は出すものとされます。
年齢にもよりますが、金額は5,000~10,000円ほど包むという方が多いです。
ただ、金銭面での余裕がない場合などは、「孫一同」として香典を出すか、供花を出すといいでしょう。
成年女子であり、嫁いでいる場合
結婚してすでに別の家へ嫁いでいる場合は、故人の孫ではなく、その嫁ぎ先から香典を出すのが一般的です。
金額は故人と生前一緒に暮らしていたか、どの位親しい間柄だったのか、などにより違いがあります。
また、年齢でも幅がありますが、10,000~50,000円ほど包むという方が多いです。
親や親戚などに相談し、金額を確認しておくのがよいでしょう。
成年女子であり、婿養子をもらい親と同居の場合
婿養子のご主人と一緒に今後家を継ぐようであれば、喪家として葬儀を執り行う立場にあるため、香典は必要ありません。
喪主を助け、お通夜や葬儀のお手伝いをしましょう。
成年男子であり、既婚で親と別居の場合
結婚して独立していますので、香典は必要となります。
ただ、将来は家を継ぐ場合は、親御さんと相談して決めましょう。
香典を出す場合の金額は10,000~50,000円ほど。
もし自分の家族も出席する場合は、家族分として最低20,000円以上を出すことが多いです。
成年男子であり、既婚で親と同居の場合
親と同居しており、故人とも同居していた場合。
喪家の者となり、葬儀を行なう側になるため、香典は必要ありません。
喪主の兄弟姉妹
一般的に、喪主の兄弟姉妹は香典を出します。
50,000~100,000円が相場といわれていますが、100,000円包む人が多いようです。
しかし、ご家庭の事情や考え方によって
- 葬儀費用を喪主が出し、喪主の兄弟姉妹は香典を出す
- 葬儀費用を相続財産と香典から出し、喪主の兄弟姉妹は香典を出す
- 葬儀費用を相続財産と香典から出し、喪主も兄弟姉妹も香典を出さない
- 兄弟姉妹も葬儀費用を負担し、喪主も兄弟姉妹も香典を揃える
以上のケースが考えられますので、それぞれ詳しく説明します。
葬儀費用を喪主が出し、喪主の兄弟姉妹は香典を出す
この香典は、葬儀費用の負担を担うので、相場は100,000円となります。
しかし、金額は事前に喪主と話しあって決めた方が、あとで揉めることもなくよいでしょう。
葬儀費用を相続財産と香典から出し、喪主の兄弟姉妹のみ香典を出す
喪主になる方は香典を出さないので、不公平では?と感じるかもしれないですね。
しかし、喪主になると心労も多く、お墓の継承など将来的にも経費はかかってきますから、そのような点も考慮しましょう。
相場は、50,000~100,000円が多いようです。
葬儀費用を相続財産と香典から出し、喪主も兄弟姉妹も香典を出さない
葬儀費用を相続財産と香典から出せる場合、喪主の方から事前に香典不要と通知があることも。
葬儀費用を兄弟姉妹で負担し、喪主も兄弟姉妹も香典を出す
葬儀費用を兄弟姉妹で負担した場合、喪主・兄弟姉妹ともに香典を出す、出さないを事前に話しあって決めることもあります。
もし出す場合は、同金額にすることが多いようです。
喪主が香典を出す場合の金額は?
葬儀費用を負担する「施主」がいる場合、香典は「施主」へ宛てるので、喪主であっても香典を包みます。
また、葬儀費用を複数人で負担した場合、喪主も兄弟姉妹も香典を出すことも。
このように、喪主が香典を出す場合の金額相場を
- 故人が父母の場合
- 故人が祖父母の場合
- 故人が兄弟姉妹の場合
にわけてそれぞれ紹介しますね。
故人が父母の場合
成人している子供の相場は、100,000円。
この額は、喪主ではない時の相場と同じです。
結婚している場合は、夫婦で最低100,000円(2人の合計)。
香典は1家につき1つで出すものですから、夫婦別々に出す必要はありません。
年代別の相場は、
- 20代→30,000~100,000円
- 30代→50,000~100,000円
- 40代→100,000円以上
になっています。
故人が祖父母の場合
相場は、10,000円以上です。
年代別の相場は、
- 20代→10,000円
- 30代→10,000~30,000円
- 40代→30,000~50,000円
になっています。
故人が兄弟姉妹の場合
相場は、30,000~100,000円です。
年代別の相場は、
- 20代→30,000~50,000円
- 30代→50,000円
- 40代以上→50,000円
- 50代以上→50,000〜100,000円
となっています。
香典は相続税の対象になる?
相続税はかかりません!
香典を貰うのは、故人ではなく、あくまでも遺族(喪主など)です。
そのため、香典は相続税対象となる故人の相続財産には該当しないため、相続税はかかりません。
民法で定められる相続とは、被相続人故人が持っていた一切の権利義務を承継することです。
そのため、
・土地や建物のような不動産
・銀行の預金
・債務や債券
というように名義がはっきりしているものは、当然すべてが相続財産となります。
一方、民法では相続財産の対象とならないのは以下のものです。
・遺骨
・受取人が定められている生命保険金や遺族年金などの給付金
・香典
以上のように、香典が相続財産ではないということは法律によって定義されています。
香典に関しては、以下の記事も参考にしてくださいね。
参考書籍:
1)1冊で安心! 葬儀・法要・相続がよくわかる本 (PHPビジュアル実用BOOKS)67ページ
まとめ
今回のポイントをまとめますね!
- 喪主も香典を出すべきかは、誰が葬儀費用を負担するかで決まる
- 施主とは、葬儀の費用を出す人で、香典を包まないのが一般的
- 喪主は、香典を包まないのが一般的
- 施主がいる場合や葬儀費用を複数人で負担する場合、喪主であっても香典を包むこともある
- 葬儀費用を相続財産から出す場合、香典を出すかは一概にはいえない
- 喪主が故人の父母に香典を出す場合の相場は、100,000円
- 喪主が故人の祖父母に香典を出す場合の相場は、10,000円以上
- 喪主が故人の兄弟姉妹に香典を出す場合の相場は、50,000~100,000円
- 香典は相続税の対象にはならない
自分が喪主になると考えることが山積みとなり、「香典」のことにまで気がまわらない可能性もあります。
そのため、香典が必要かを判断する「誰が葬儀費用を負担するか」を事前に知っておくことは大切です。
また、香典の金額に関しては、相場を目安とするとともに、事前にご家族や親戚と話しあって決めておくことをオススメします。