また、納骨堂となにが違うのか知りたいのですが。
それでは、費用の相場や納骨堂との違いについて紹介するので、参考にしてくださいね。
「合葬墓」と聞くと、なんとなく「個人」ではなく、「合同」で埋葬されるとはイメージできても、どのような内容なのかわからない方も多いと思います。
また、合同なら費用が安く抑えられそうと、費用面で興味があるかたもいるのではないでしょうか?
そこで今回は、合葬墓(合同墓)に関して、
- その意味
- 費用相場
- 納骨堂との違い
などを紹介します。
合葬墓とは?
まず、合葬墓の読み方は、「がっそうぼ」となります。
合葬墓とは、まったく面識ない複数人の遺骨をあわせ、埋葬するお墓のことです。
まったくの他人と入るわけですが、ご夫婦や家族で入ることも可能ですよ。
遺骨は骨壷に入ったまま埋葬されるのでしょうか?
ほとんどの場合、骨壺からお骨は出して、不特定多数のお骨と一緒にして埋葬されます。
そのため、遺骨を埋葬されると、 あとから遺骨を取り出すことができなくなりますので注意が必要です。
なかには、不特定多数のお骨と一緒にされないこともあるのでしょうか?
ただ、それを知るうえでまず、種類を知っておいたほうがいいでしょう。
合葬墓には種類がありますので、その点に関しても紹介しますね。
合葬墓の種類
合葬墓には、
- 運営先
- 埋葬方法
- 墓形態
に関して種類があるので、それぞれに関して説明します。
運営先の種類
合葬墓の運営先として
- 寺院
- 民営の施設
- 公営の施設
と3種類がありますよ。
- 寺院のお墓・・・寺院の敷地内か近隣にある
- 公営の施設・・・都道府県や市町村、自治体により運営されている
- 民営の施設・・・宗教法人や公益法人などが民間の企業に委託して運営
寺院や霊園によっては、合葬墓を「合祀墓」と呼んだり、「合同墓」・「永代供養墓」・「合祀墓型納骨堂」・「合祀墓型共同墓」などという場合もあります。
埋葬方法の種類
合葬では、
- 骨壺から出したお骨だけを、不特定多数のお骨と一緒にして埋葬
- 木綿の袋などに入れて埋葬
などが一般的ですが、民営の施設を利用すると、以下の様な埋葬方法もありますよ。
- ロッカー式・・・地下の埋蔵室に設置されたロッカーへご遺骨を骨壷のまま納める
→納骨時、代表1名に限り埋蔵室にて立会うことが可能
他のお骨と一緒にされない埋葬方法もあるのですね。
墓形態の種類
一般的な墓形態は以下の2つです。
慰霊碑型
慰霊碑を建ててその下に遺骨を埋葬するもの
樹木葬型
墓標の代わりとして樹木をうえ、その下に納骨する樹木葬を合葬の形にしたもの
合葬墓の費用相場は?
合葬墓の費用相場は・・・数万~500,000円ほど
お墓の運営先によっては、子孫に代わって供養とお墓の管理をしてくれますが、その場合は、永代供養費用も含まれての支払いとなります。
また、運営先によっては、年会費など毎年の費用が別途かかるところもありますよ。
永代供養とは、寺院や霊園を運営する主体が、遺族に代わって遺骨の管理や供養をしてくれることです。
永代供養は最初に一式の費用を支払えば、以後追加費用など不要なところがほとんどですよ。
一式費用の内訳は、寺院や施設ごとに異なるので一概にはいえませんが、一般的には
- 永代供養料
- 納骨料
- お布施
- 戒名料
- 刻字料
が含まれることが多いので、それぞれ紹介しますね。
永代供養料
永代供養料とは、永代に供養を行うことへ対する費用のこと。
供養は寺院により永代行われます。
納骨料
納骨料とは、納骨する際の初期費用です。
遺骨をそのまま納骨する 場合や、 納骨用の袋に入れてから納骨する場合など、その様式 、またお墓の運営先などによって費用はかわりますよ。
お布施
納骨をする際、お坊さんを呼び読経が行なわれることもあり、その際、お布施をお渡しする必要があります。
ちなみに、その費用相場は、30,000〜50,000円 ほどに。
戒名料
寺院の合葬に納骨する場合、宗派をあわせた供養を行うために戒名が必要となる場合があります。
戒名の費用は、そのランク によって異なり、安いものだと 50,000円ほどから、高いものでは 1000,000円以上必要とする場合もありますよ。
戒名に関する記事もどうぞ!
刻字料
刻字料とは、納骨者名などを過去帳や墓誌に彫刻する時にかかる費用。
基本的に永代供養は上記のような一式料金だけのところが多いです。
しかし、なかには継続的に支払う必要がある料金システムの場合もあるため、かならず事前に確認するようにしてください。
- 寺院
- 民営の施設
- 公営の施設
寺院の場合
運営先が寺院の場合、合葬墓の管理はその寺院の住職により行なわれるのが一般的です。
供養は、春秋のお彼岸 やお盆に行われることが多いですが、その寺院によって供養の時期や頻度は異なるため、 事前に確認 するようにしてください。
また、 清掃頻度もその寺院によって異なるので、そちらも確認しておきましょう。
それでは、主要都市にある寺院の費用例を紹介しますね。
- 東京(墨田区)のある寺院・・・150,000円
- 東京(新宿区)のある寺院・・・100,000円
永代供養料・使用料・納骨料・刻字料など一式が含まれます。
また、春秋の彼岸・お盆・祥月命日などに供養する費用も含まれる。
たとえば、同じ新宿区でも値段に幅があり、高い場合は、1000,000円のお寺もありますよ。
- 大阪(大阪市)のある寺院・・・250,000円
- 大阪(交野市)のある寺院・・・300,000円
永代供養料・使用料・納骨料が含まれます。
春秋の彼岸・お盆の法要・毎月1回の回向を行い供養する費用も含まれる。
- 北海道(函館市)のある寺院・・・200,000円
- 北海道(北見市)のある寺院・・・500,000円
永代供養料・使用料・納骨料など一式を含まれます。
春秋の彼岸、お盆には法要が行なわれ、毎朝墓前にて読経供養していただけるお寺も。
お骨は顆粒状にして合葬するお寺もあります。
- 福岡(宗像市)のある寺院・・・200,000円~
事情がある方は、分割などの相談が可能。
以上のように、寺院によって費用は違いますが、以下の
- 年会費を支払う必要がある
- 毎日住職が読経してくれる
- お盆やお彼岸の供養のみ
- 墓石の大きさや作り
などによっても費用は変わりますので、費用に含まれる内容を事前に確認することをお忘れなく。
また、寺院によっては、檀家になることを条件に永代供養を提供している場合もあります。
その場合、入檀料など、通常のお墓を持つのと同じような費用が発生することもあるため注意しましょう。
公共の施設
費用の相場・・・50,000円前後が多い
公営の合葬墓ですと、比較的費用を安く抑えることが可能です。
ただし、施設によっては、まったく供養されない場合もあります。
宗教や祭祀も自由ですが、申込み条件として、その施設を開設している都道府県、または市町村に在住している必要。
公営の施設であるという安心感、そして費用が比較的安いなどの理由から、 競争率が高く なり、 抽選などによって選ばれたりする場合もあります。
民営の施設
費用の相場・・・50,000~150,000円ほど
さきに述べました、「ロッカー式」ですと・・・
合葬墓使用料+埋蔵料で1000,000円以上となる場所も。
民営とは、宗教法人や公益法人などが民間の企業に委託し運営していることです。
供養方法や時期・頻度、また、管理方法などはその運営先によって異なります。
また、宗教法人の委託ですと、その委託主の宗派に沿った供養が行われるという場合もありますので、 事前に確認しておきましょう。
合葬墓と納骨堂の違いは?
まず、さきに説明した「合葬墓」とは、まったく面識ない複数人の遺骨をあわせ、埋葬するお墓のことです。
それに対して、納骨堂とは、個人または夫婦などで個別にご遺骨を安置する、いわば室内のお墓となります。
遺骨は骨壷で個別に安置されます。
ただ、一定期間(3回忌・17回忌・33回忌など)個別に安置したあとは、合葬墓などに移して供養することが多いようです。
一般的に、お墓を購入すると、永代使用権・墓石などで費用は高額になりますが、納骨堂は使用料・管理料などのみとなり費用は比較的低額になります。
また、お参りは個人でも可能なところ、共同の参拝所が設けてあるところと、施設により違いがありますよ。
納骨堂の料金は、1人で利用する場合と親族で利用する場合によって変わります。
- 1人で利用する場合の費用相場・・・500,000円ほど
- 親族で利用する場合の費用相場・・・1000,000円ほど
→納骨する人数が増えれば、料金もあがる
ちなみにお墓の相場は、2000,000円ほどですので、納骨堂だと費用が抑えられますよ。
納骨堂にかかる料金は、
- 納骨する人数
- 納骨堂のタイプ
- 合葬までの日数
などさまざまな要因によって料金が変動します。
納骨堂のタイプには、
- 仏壇式(位牌式)・・・骨壷を入れる納骨スペースの上段に位牌や仏壇などがあるもの
- ロッカー式・・・コインロッカーのようなデザイン
収容スペースに骨壷や位牌を置くことができ、複数人分を収納することも可能 - 自動搬送式(機械式)・・・ICカードなどの認証で参拝場所に遺骨が搬送されるデザイン
24時間参拝が可能なところもあり、利便性の高さが特徴
合葬墓の特徴
- 1つのお墓に複数の他人と入る
- 屋外にある
- 一旦埋葬されると故人の遺骨だけに参拝したり、のちに個別のお墓などに改葬することも難しくなる
秋田市、北部墓地に合葬墓完成 7月に募集開始、郵送でも可 #秋田市 #akita #秋田 https://t.co/Q9yXTfXwsO pic.twitter.com/OonM3ffP07
— 秋田魁新報社 (@sakigake) April 10, 2019
一般的なお墓に比べるとかなり大きいですが、墓標があるのでお参りしやすいですね。
納骨堂の特徴
- 遺骨は骨壷で個別に安置される
- 屋内にある
- ご遺族が故人のお骨と個別に対面して参拝することが出来たり、お墓を建てる際に改葬しやすい
→ただし、納骨堂の遺骨も、一定期間(通常は数十年)経過後は合葬されてしまうのが一般的
納骨堂はありがたい。雨風関係無い! pic.twitter.com/bn638aFVDm
— baNe@道産子.com (@tomo_wa) October 3, 2019
お天気を気にすることなくお参りできるのはありがたいですね。
合葬墓は、「無縁塚・無縁墳墓」とはどう違うのでしょうか?
無縁塚・無縁墳墓との違いは?
「無縁塚」・「無縁墳墓」との違いは、以下の通りです。
- 無縁塚(むえんづか)とは・・・弔う縁者のいない死者のためにあるお墓
- 無縁墳墓(むえんふんぼ)とは・・・法律で、管理する縁故者のいなくなったお墓
→お墓の管理者に対して名乗り出るよう告示し、1年以内に申し出がなければ無縁とみなされる
ちなみに、無縁仏(むえんぼとけ)とは、祀ってくれる者(供養してくれる者)のいない仏のことです。
「無縁」とつくから想像はしていましたが、「まったく縁者がいない」点が合葬墓との大きな違いですね。
合葬墓のメリット・デメリット
メリット
メリットは以下の通りです。
- 一般に墓石は不要なため、墓石代がかからない
- 永代供養料・管理費用も一括管理のため低く抑えられる
- お墓を管理する(清掃など)必要がないため負担も少ない
- 宗教やその宗派などを問わずに受け入れるところが多い
- 墓標となるものがあり 、お供えなどをするためのスペースなども設けられている場合もある
- 寺院や霊園がお墓の管理や供養を行ってくれるため、無縁墓になるのを防ぐことができる
デメリット
デメリットは以下の通りになります。
- 不特定多数の遺骨と一緒に埋葬されてしまうため、一旦埋葬されると他の遺骨と区別がつかなくなる
- 決められた日に合同供養を執り行うところが多く、個別の供養は行われないのが一般的
- 故人の遺骨だけに参拝したり、のちに個別のお墓などに改葬することは難しくなる
- 供養をとり行う日が決められている場合もあり、自由な供養が難しくなる可能性も
- 先祖や個人のお墓に入る考えは根強くあるため、親族からの理解を得がたい場合もある
- お参りする時期(お盆やお彼岸など)によっては混雑する場合もある
合葬墓を検討する際に注意すべきは、埋葬後は遺骨の返還はできない点です。
そのため、契約前に十分検討するようにしてくださいね。
実際、合葬墓はどのような人に向いているのでしょうか?
メリット・デメリットから、
- お墓の管理が難しい人
- 自分のお墓は不要と考える人
には向いている選択だと思われます。
それぞれ詳しく説明しますね。
お墓の管理が難しい人
個人でお墓を持っている場合、お参りをする際の清掃やお墓を置き続けるための管理費支払いなどをして、そのお墓を維持する必要があります。
しかし、なんらかの理由により、先祖のお墓から遠方に住むことになったりして、お参りをすることが困難になってしまう場合も。
また、 経済的な理由から、 管理費の支払いが困難になることも考えられます。
以上のようになさまざまな理由から、
- 管理の心配が要らない
- 比較的費用も安い
点を重視する方には向いているといえるでしょう。
自身のお墓は不要だと考える人
以下の理由から、お墓は建てない選択をする方もいます。
- 将来お墓の後継者がいない
- お墓を後継する者の負担を減らしたい
- お墓の費用を抑えたい
将来の後継者や身寄りがない方、または、後継者がいる場合はその方の負担が心配。
そのため、自分のお墓は必要ないと考えている人にも向いているといえます。
まとめ
今回のポイントをまとめます。
- 合葬墓とは、まったく面識ない複数人の遺骨をあわせ、埋葬するお墓のこと
- 合葬墓の運営先として寺院・民営、公営の施設がある
- 合葬墓の費用相場は、数万~500,000円ほど
- 永代供養とは、寺院や霊園を運営する主体が、遺族に代わって遺骨の管理や供養をしてくれること
- 納骨堂とは、個人または夫婦などで個別にご遺骨を安置する、いわば室内のお墓
- 無縁仏(むえんぼとけ)とは、祀ってくれる者(供養してくれる者)のいない仏のこと
少子化や独身者などの増加により、承継者のない方たちへの受け皿として、合葬墓は今後ますます増えていくことが予想されます。
お墓のことをはやい時期から考えるのは現実的でないかもしれません。
しかし、今回紹介した「合葬墓」は少し特殊なお墓となるため、事前にどのようなものか、その内容や費用を今後のために知っておくとよいと思います。