しかし、喪中期間に神社参拝は控えるべきだと聞いて・・・
実際どうなのでしょうか?
実際は少し複雑なので、喪中期間の神社参拝について詳しく解説するわね。
喪中だけど、初詣に行きたい・・・
しかし、喪中期間の神社参拝は慎むべきだと聞いたことも。
「非常識な行動は避けたいけど、本当のところが知りたい」と、思っている方も多いと思います。
そこで今回は、喪中期間の神社参拝に関して、
- 本当に行ったらダメなのか
- いつからなら大丈夫なのか
- 知らずに行ってしまった場合の対処法
など紹介しますので、参考にしてくださいね。
喪中期間に神社へ行ったらダメなの?その理由とは?
忌中が過ぎれば、喪中であっても神社へお参りしても大丈夫です。
ただし、「忌中」は神社に参拝しないほうがよいとされています。
でも、「忌中が過ぎれば」というのが、よくわからないのですが・・・
それでは、納得いくように、順を追ってわかりやすく説明していくわ。
日本では古くから、家族や親族に弔事があった場合、故人を偲び哀悼の意を表す習慣があります。
また、故人を失った深い悲しみ、そしてツライ思いを乗り越えるために一定の期間が設けられ、この期間を「服忌」(ぶっき)といいますよ。
この「服忌」の
- 「服」とは、故人を悼む気持ちに思いをおく期間・・・喪中
- 「忌」とは、故人の祀(まつ)りに専念する期間・・・忌中
→祀りとは、儀式をととのえて神仏・精霊をなぐさめ、あがめるという意味
といわれます。
この期間は、故人を偲ぶ大切な時といえるでしょう。
「喪中」と「忌中」、同じではないのですね。
それでは、「喪中」と「忌中」の違いについて紹介します。
ちなみに、地域により違いはありますが、ここでは一般的な違いを紹介しますね。
喪中とは
喪中の意味と期間を紹介します。
意味
- 故人を偲び、喪失感や悲しみを乗り越え、通常の生活へと戻っていく期間
→お祝い事や娯楽などはなるべく避け、控えめな生活をする期間でもある - 忌中期間を過ぎれば、神社参拝などを行っても問題ない
期間
一般的に、一周忌までの期間(12~13ヶ月)を喪中と呼び、宗教を問わないことが多いです。
また、故人との関係により以下のように期間は異なります。
亡くなったのが自分の
- 父母、子供の場合・・・亡くなられた日からほぼ1年
- 兄弟、姉妹・祖父母の場合・・・3~6ヶ月
忌中とは
忌中の意味と期間を紹介します。
意味
- 故人を偲び、御霊(みたま)を鎮める期間
→御霊とは、祖先の霊への尊称 - 神事・結婚式のほか、お祝い会などへの出席を控え、神事などは忌明け後に延期する
期間
期間は宗教により違いがあり、不幸があった日から、
- 仏式では、49日間
→故人は死後49日後に仏さまのところに向かうといわれ、49日に法事を行う - 神式では、50日間
→ただし、神式の場合は、故人との関係により日数が異なる
故人との関係による日数
- 親・配偶者・・・50日
- 祖父母・・・30日
- 兄弟姉妹・子ども・叔父叔母・・・20日
- 孫・・・10日
- 親戚の場合・・・1~3日ほど
つまり・・・
- 喪中・・・忌中を含む1年間
- 忌中・・・仏式→49日、神式→50日
となります。
「服忌」については、地域に慣例がある場合、その慣例に従うのが適切です。
とくに慣例がない場合には、五十日祭までが「忌」の期間、一年祭(一周忌)までを「服」の期間とするのが一般的でしょう。そのため、「忌」の期間である50日を過ぎれば、原則として神事を再開しても差し支えないと考えられます。
「忌」の期間は、神社への参拝を遠慮しますが、やむを得ない場合は、お祓いを受けるのがよいでしょう。1)
また、忌中の参拝については、神道と仏教で考え方が以下のように違います。
- 神道の場合・・・忌中は穢れ(けがれ)の期間とし、参拝が禁じられる
→穢れとは、死などによって生じ、忌まわしく思われる不浄な状態 - 仏教の場合・・・参拝を故人への供養と考え、参拝も奨励される
神道では、「死」は穢れと考えられ、神社に穢れを持ち込むことがよくないとされるため、「忌中期間」はお参りしないほうがよいとされます。
「喪中の神社参拝はよくない」といわれているのは、喪中の中でも実は、「忌中」と呼ばれる期間を指しているのです。
それでは、喪中であっても忌中期間を過ぎれば、神社への参拝は大丈夫となるのですね。
ただ、故人との関係性によるのも忘れないでね。
ただ、忌中期間であっても、なんらかの事情で神社に参拝したいという場合もあるでしょう。
その場合は、参拝する予定の神社に事情を説明したうえで、神社の鳥居外側でお祓いを受けてから参拝することが可能です。
喪中期間の神社に関する疑問を解決!
喪中期間の神社参拝に関しては、「喪中であっても忌中期間を過ぎれば、神社への参拝は可能となる」とおわかりいただけたと思います。
ここでは、喪中期間に関しての疑問として、
- 初詣はどうなの?
- お守りやお札を買うだけならいい?
- お宮参りも日にちをズラすべき
- どんど焼きも行ったらダメ?
- 神社であるお祭りにも行ったらダメなの?
を挙げ、それぞれ説明していきます。
基本的に、どの場合でも、忌中を過ぎれば、喪中期間であっても可能です。
ただし、期間は故人との関係性により異なりますので、注意してくださいね。
喪中期間の初詣はどうなの?
さきに述べましたとおり、神社への参拝が禁じられているのは、忌中期間です。
そのため、神社への初詣も、忌中期間が過ぎてからなら可能となります。
喪中期間は神社へのお参りしてはいけない、と思っていて初詣は自粛してたのですが、忌中(49日まで)の間違いで喪中(一年)は問題ないのだとか。
杞憂だった喪も明けた事で、遅れながら最寄りの氏神様に手を合わせて来ました。
— 大嶋尚之 (@oshima_tn) February 3, 2017
このように誤解されている方は多いと思います。
喪中期間でもお守りやお札を買うだけならいい?
喪中期間であっても、忌中でなければ問題ありません。
ただし、忌中期間にお守りやお札を購入したいという場合は、友人や知人など、故人の親族ではない方にお願いすることも可能です。
しかし、「他の人の手を通すと、神社からの繋がりが切れてしまう」という考えの神社もあります。
そのため、自分で直接購入することを推奨しているところもあるようです。
また、神社によっては、「お守りの通販」をされているところもあります。
そのような場合、神社のホームページから簡単に申し込み出来るようですよ。
普段参拝される神社や、お守りを入手したい神社が、郵送の対応をしているかどうか、電話やメールで問いあわせるのもよいかもしれません。
お宮参りは日にちをズラすべき?
本来なら生後1ヶ月ごろに行くべきところですが、その時期が忌中期間でしたら、避けるのが基本です。
しかし、忌中を過ぎれば、お宮参りをしても問題ありません。
ただし、家族や地方によっても考え方が違うため、皆さんでよく話しあって決めるのがよいでしょう。
もし悩まれる場合は、神社に相談することも可能です。
どんど焼きへ行ったらダメ?
「どんど焼き」とは、お正月に飾った門松や松飾りなどを、神社や地域の人達で集めて焼く年中行事。
こちらも忌中期間でしたら、避けるのが基本です。
しかし、忌中を過ぎれば喪中であっても問題ないでしょう。
どんど焼は、神様を天にお返しするための行事であるため、古いお札やお守りを一緒に火にくべて焼いてもよいとされます。
しかし、神社によっては、「お正月飾り以外はどんど焼きに持ち込み禁止」となっている場合もあるため、事前に問いあわせることをオススメします。
ただし、神社に引き取ってもらうことは可能であり、古札納め所という専用の箱が用意されてある場合も多いです。
お札と同様、どんど焼きで火にくべて焼いても大丈夫です。
どんど焼き以外での「お守り処分法」も紹介しますね。
お守りは授かった神社へお返しすべきですが、旅先などの遠方で授かったものだと難しい場合も。
その場合は、近隣の神社に頼む事も可能です。
お守りを返す場所は、神社にある古札収所、古札受付などと書かれたところになります。
ここに納めると、お焚き上げしてくれますよ。
ちなみに、「お焚き上げ」とは・・・
魂が宿っていると考えられ、むやみに捨てずらいものを処分する際に、神社やお寺などで焼いてもらうことをいいます。
また、遠方の場合、郵送も可能です。
その場合、封筒に「お焚き上げ希望」と書いてお守りを送るとよいでしょう。
ただし、神社によって受けつけない所もあるため、事前に確認するようにしてください。
神社であるお祭りに行ったらダメなの?
こちらも忌中であれば避けるべきですが、忌中期間を過ぎているのなら問題ありません。
ただ、個人の考えや地域性による違いもある様で・・・
地方の慣習によっては、「忌明けであっても喪中ならお祓いが必要」と考えられているところもあるようです。
逆に、故人がお祭り好きだった場合は、お祭りに参加して盛り上げることこそが、故人を慰霊することになるという考えも。
心配な場合は、お祭りのある神社へ直接相談されることをオススメします。
「喪中じゃないの?」ってよく言われる。確かに喪中だけど、忌中ではない。
親族が亡くなることによって神社参拝や祭礼参加を憚る忌中の期間は、親・配偶者・子なら50日。忌明けすれば神社に参拝できるし祭礼にも参加できる。
ということで、喪中だけどとっくに忌明けしてるんで、お祭り参加するよ。
— しゅんしゅん (@miya_shun) May 10, 2018
「喪中だけど忌中ではない」この区別がわからない方も多いので、誤解を招きやすいようですね。
神社参拝後に気づいた場合の対処法は?
もし、神社参拝後に「喪中なのに参拝してしまった・・・」となってしまうと、なにか不吉なことでも起こるのでは?などと悩まれるかもしれません。
もし喪中期間に神社で参拝してしまっても、心配する必要はありません。
しかし、それでも気になる場合は、以下のような対処法もあるので紹介しますね。
まずは、神社にお参りをした日が、不幸のあった日から「何日目」なのかを確認してください。
最初に述べましたとおり、喪中であっても忌明け(不幸があった日から50日以降)であれば、お参りされても大丈夫です。
ただし、故人との関係性により期間は変わります。
もし50日(もしくは必要期間)経ってない場合は・・・
50日(もしくは必要期間)経過後に、あらためてお参りした神社に足を運び、拝殿前で手をあわせ、神様に無礼があったことのお詫びをしましょう。
- 御祓いを受ける
- 清めの塩をまく
それぞれ説明しますね。
御祓いを受ける
参拝した神社の神主さんなどに事情を説明したうえで、お祓いを受けることも可能です。
この場合、神社境内ではなく、鳥居の外側でお祓いとなります。
清めの塩をまく
これはその日に気づいた場合となりますが、帰宅した際に清めの塩をまいて、手をあわせるという方法も。
本来、神道で用いられる儀式である清めの塩は、「穢れ」を祓うために行われます。
ここでいう「穢れ」とは、亡くなった故人を指すものではなく、悲しみに際して近づいてくる「邪気」のことです。
そのため、穢れを家に招きいれないため、清めの塩は必ず「玄関へ入る前」に行なってください。
喪中期間のお寺参りはどうなの?
お寺の場合、喪中・忌中に関係なく、お参りして問題ありません。
お寺では、お葬式や初七日・49日法要なども行いますし、忌中や喪中にお参りすることは、むしろ推奨されています。
さきに述べましたとおり、神道と仏教では死生観の違いがあり、仏教では、死を「穢れ」とは捉えないのです。
とくに、浄土真宗では「死」=「成仏」と考えられているので、忌中という期間はありません。
つまり、喪中の期間だけでなく、忌中の期間もお寺へ参拝することは問題ないといえます。
参拝しちゃいけないのは忌中(49日法要まで)の神社のみで、法要が終われば問題なし。お寺は実は何の制限もなくむしろ忌中喪中期間は供養になるので参拝した方がいいらしい。
— yuki (@ykio19) January 18, 2019
知らないで、お寺も参拝できないと思っている方も多いようです。
- 神社への参拝・・・忌中期間を過ぎれば可能となる
- お寺への参拝・・・喪中・忌中に関係なく可能である
参照1):神社庁 「服忌」
まとめ
今回のポイントをまとめます!
- 忌中が過ぎれば、喪中であっても神社へお参りしても大丈夫である
- ただし、「忌中」は神社に参拝しないほうがよい
- 喪中とは、故人を偲び、喪失感や悲しみを乗り越え、通常の生活へと戻っていく期間
- 忌中とは、故人を偲び、御霊(みたま)を鎮める期間
- 喪中の期間は、忌中を含む1年間
- 忌中の期間は、仏式→49日、神式→50日(故人との関係性による)
- 神社への参拝は、忌中期間を過ぎれば可能となる
- お寺への参拝は、喪中・忌中に関係なく可能である
「忌中が過ぎれば、喪中であっても神社へお参りしても大丈夫」なのですが・・・
「喪中」=「どんなことも1年間慎むべき!」と誤解されている方も多いようです。
もちろん、喪中期間は、故人を偲ぶのは大切ですが、自粛しすぎるのも場合によっては考えもの。
古くからの習慣を守ることも大切でしょうが、柔軟に対応してもよいのではないでしょうか?