それ以外にも「喪中期間の禁止事項」はあるのでしょうか?
そこで、「喪中の禁止事項」に関して本当はどうなのか、わかりやすく紹介するわね。
喪中だと神社参拝はダメ・・・なんて聞きますが、実際どうなのでしょうか?
他にも「喪中」にしたらいけないことは、どういったことなのか?
疑問は多いと思います。
「喪中」=「すべてを慎んだ控えめな生活にする」と考えられがちですが、誤解も多いようです。
そこで今回は、喪中に関して、
- そもそもの意味
- 禁止事項
- 地域による違い
などを紹介するので、参考にしてくださいね。
そもそも喪中とは?忌中との違いも紹介!
喪中とは
喪中の意味と期間を説明しますね。
意味
- 故人を偲び、喪失感や悲しみを乗り越え、通常の生活へと戻っていく期間
→お祝い事や娯楽などはなるべく避け、控えめな生活をする期間でもある - 忌中期間を過ぎれば、神社参拝などを行っても問題ない
期間
一般的に、一周忌までの期間(12~13ヶ月)を喪中と呼び、宗教を問わないことが多いです。
また、故人との関係により以下のように期間は異なります。
亡くなったのが自分の
- 父母、子供の場合・・・亡くなられた日からほぼ1年
- 兄弟、姉妹・祖父母の場合・・・3~6ヶ月
「喪中」と「忌中」の違いはなんですか?
忌中とは
忌中の意味と期間を説明します。
意味
- 故人を偲び、御霊(みたま)を鎮める期間
→御霊とは、祖先の霊への尊称 - 神事・結婚式のほか、お祝い会などへの出席を控え、神事などは忌明け後に延期する
期間
期間は宗教により違いがあり、不幸があった日から、
- 仏式では、49日間
→故人は死後49日後に仏さまのところに向かうといわれ、49日に法事を行う - 神式では、50日間
→ただし、神式の場合は、故人との関係により日数が異なる
故人との関係による日数
- 親・配偶者・・・50日
- 祖父母・・・30日
- 兄弟姉妹・子供・叔父叔母・・・20日
- 孫・・・10日
- 親戚の場合・・・1~3日ほど
つまり・・・
- 喪中・・・忌中を含む1年間
- 忌中・・・仏式→49日、神式→50日
となります。
また、忌中の参拝については、神道と仏教で考え方が以下のように違いますよ。
- 神道の場合・・・忌中は穢れ(けがれ)の期間とし、参拝が禁じられる
→穢れとは、死などによって生じ、忌まわしく思われる不浄な状態 - 仏教の場合・・・参拝を故人への供養と考え、参拝も奨励される
神道では、「死」は穢れと考えられ、神社に穢れを持ち込むことがよくないとされるため、「忌中期間」はお参りしないほうがよいとされます。
「喪中の神社参拝はよくない」といわれているのは、喪中の中でも実は、「忌中」と呼ばれる期間を指しているのです。
それでは、喪中であっても忌中期間を過ぎれば、神社への参拝は大丈夫となるのですね。
ただし、お寺の場合、喪中・忌中に関係なく、お参りして問題ないわよ。
お寺では、お葬式や初七日・49日法要なども行いますし、忌中や喪中にお参りすることは、むしろ推奨されています。
喪中の禁止事項!こんな場合はどうなの?
喪中であると、
- 結婚式・入籍
- 神社参拝(合格祈願)
- お正月の過ごし方
- クリスマス飾り
- お歳暮やお中元
- 旅行
- 新居建築
- 引越し
などに関して「どうすればいいの?」と疑問になると思います。
そこで、それぞれに関して詳しく説明しますね。
結婚式
「喪中はお祝いごとを控え、身を慎む期間なので、お祝いごとにあたる結婚式も控えるべきか・・・」
悩みますよね。
まず、基本的には、「忌中」の期間を過ぎていれば、結婚式を挙げても問題はありません。
期間は故人との関係性により異なりますので、注意してください。
当事者やご家族、親族によっては、
- 「喪が明けてからにすべき!」
- 「忌中でも式を挙げたい!」
などと意見はわかれるようですから、それぞれのケースを紹介しますね。
喪が明けてからにすべき!
これは、喪中期間は結婚式を行なわないという考えになります。
この場合は、予定していた式を一周忌が過ぎるまで延期することが多いようです。
式場をすでに予約している場は、予約のキャンセルをするか、延期することになります。
キャンセルや日程の変更ができるか、またキャンセル料に関しては、式場によって違うため、担当者へはやめに連絡するようにしてください。
結婚式する予定だったんだけど喪中になったのでちょっと後にする事にした。時間があるのでダイエット頑張るゾイ!😭
— FJK (@debiruneko) September 11, 2019
親族などの目などもあり、全員がよい気分で祝福できることを考え、延期しました。
本人たちはよくても、周りの方が反対する場合も。
調和をはかるのも大切かもしれませんね。
忌中であるが式を挙げたい!
本来、忌中期間の挙式は避けるべきですが、
- 故人や周りの気持ちを尊重すべき
- すでに招待している人たちの都合
などを重視して、予定通り式をあげる場合もあります。
この場合、
- 「生前、故人もこの結婚式を楽しみにしていた」、
- 「式をキャンセルすることで、すでに招待している人達へも迷惑を掛けることになる」
などの理由で式を執り行う方達もいるようです。
また、場合によっては、多額のキャンセル料を支払わなければならないという状況から、やむを得ず決行することも。
別に家族の為に結婚する訳ではないけど、忌中に結婚式をするのも少し気を遣う。
心に決めてることを先延ばしにすることに何もメリットがないなら早い方がいいと思った。人の命は短い。— She (@ninac_her) May 24, 2019
このような考えの方もいらっしゃるようです。
お互いの両親と話しあった結果、日取りを変えず、そのまま結婚式を行うことにしました。
基本的に、喪中であっても忌中期間を過ぎれば出席しても問題ありません。
大切なのは、
- 喪中であっても先方がそれを気にせず、出席を望んでいる
- 招待された側も心の整理がついており、先方の結婚を心から祝福できる余裕がある
以上の2点が揃っているなら、出席してもいいでしょう。
もちろん、自分自身の大事な人を失った悲しみが癒えず、とても祝福する心の余裕が無い場合は、ムリをしてまで出席する必要はありません。
心の整理がついていないのなら、欠席をする方がいいでしょう。
心苦しい気持ちはわかりますが、忌中や喪中を理由に欠席するのはマナー違反ではありません。
ただ、招待してくださった側では、料理や引き出物のキャンセル、席次の変更などがあります。
そのため、欠席すると決めたなら、早急に先方へ連絡するようにしてください。
故人が、祖父母や曾祖父母であり、天寿をまっとうして亡くなられているのであれば、入籍を遂行される方も多いようです。
このような場合、後日入籍したことを墓前に報告するとよいでしょう。
入籍をすることが、故人への手向けとなるケースもありますので、ご家族でよく話しあうことをオススメします。
私事ですが、このたび
かねてよりお付き合いしていた方と入籍いたしました🙂🌸しかしながら彼のお母様が今年亡くなり、現在はまだ喪中のため
挙式等は来年以降に行う予定です。とりあえずこちらのTwitterはほとんど今まで通り、特に変わらないと思いますのでこれからもよろしくお願いいたします🍀
— 純(Jun_metaldrops) (@Jun_metaldrops) October 19, 2019
このように、喪中であっても入籍だけは済ませる方も多いようです。
神社参拝(合格祈願)
喪中期間であっても忌中を過ぎれば、合格祈願のために神社参拝しても問題ありません。
ただし、神社の基本的な決まり以前に、その地方での慣習が重要となる場合もあります。
そういった場合は、地元の慣例にしたがうほうがよいでしょう。
お寺でしたら、合格祈願をすることができます。
お寺は神社と違って、死を穢れとして考えません。
つまり喪中のみでなく、忌中であっても、合格祈願をすることが可能です。
正月の過ごし方
基本的に喪中のお正月は控え目に過ごします。
具体的に、なにを控え、なには行ってもよいのか、紹介しますね。
年賀状・新年の挨拶
喪中のお正月には、年賀状を出しません。
「喪中はがき」と呼ばれる、年賀状欠礼のお知らせを送ります。
この「喪中はがき」には、誰の喪に服しているのかを明記し、11月中旬~12月上旬に届くよう発送するのがマナーです。
ただし、その返事は松の内(正月を祝う期間)1月7日を過ぎてから、「寒中見舞い」という形で出すようにしてください。
その際、「お知らせできずに申し訳ありませんでした」などと添えると丁寧です。
同様に、年賀欠礼状を出すのが間にあわなかった場合も、1月7日過ぎに寒中見舞いを送るといいでしょう。
また、年始の挨拶では、「おめでとうございます」という挨拶は控え、
- 「今年もよろしくお願いします」
- 「昨年はお世話になりました」
などと挨拶するようにしてください。
初詣
神社での初詣は、忌中期間を過ぎていれば問題ありません。
しかし、お寺であれば、忌中期間に訪れても大丈夫ですよ。
年始のお参りが忌中期間であれば、お寺への参拝としましょう。
年越しそば
年越しそばの由来には諸説があり、「1年の厄を落とす」・「長寿・延命を願う」などの意味がありますが、お祝い料理ではないため喪中であっても食べて問題ありません。
おせち料理
おせち料理はお正月の祝い料理となるため、喪中のときは基本的には控えます。
ただし、忌中期間を過ぎていれば、食べても問題ないというのが一般的な考えです。
おめでたいことを意味する、鯛や海老、紅白のかまぼこなどは避ければ、普段の料理として食べても問題はありません。
その際、重箱を使用するとお祝い色が濃くなってしまうので、普段使いの食器に盛るようにし、お祝い箸は使わないようにしましょう。
紅白のかまぼこや装飾した野菜などは入れず、出来るだけシンプルにまとめたお雑煮にしましょう。
また、お屠蘇も控えてくださいね。
お年玉
お年玉も喪中には避けた方がいいとされますが、近年、儀礼的な意味は薄れ、「お小遣い」の感覚で渡されていることが多いです。
そのため、お年玉を渡す場合は、おめでたい柄のポチ袋を避け、表書きを「お小遣い」や「書籍代」などにしたりして渡すとよいでしょう。
門松・しめ縄・鏡餅
家の外の門松・しめ飾り・鏡餅などは控えます。
神棚のしめ縄は、忌明け(四十九日・五十日祭)が過ぎていれば交換して構いません。
除夜の鐘
神社であれば、忌中期間は控えましょう。
ただし、お寺の場合は問題ありません。
クリスマス飾り
華やかに飾るのは控えた方が無難です。
とくに決まりはありませんが、屋内にクリスマスツリーを飾ったりするぐらいにして、屋外に華やかなイルミネーションなどは控えるべきでしょう。
お中元やお歳暮
1年間お世話になった方に感謝、お礼の気持ちとして渡す品なので、とくに喪中とは関係がありません。
そのため、お中元やお歳暮は贈っていいものとされています。
ただし、のし紙に無地の奉書紙か白い短冊を使うようにしてください。
お歳暮を贈るときに使うのし紙には、通常のしと紅白の水引が印刷されています。
しかし、のしも紅白の水引も、お祝いの気持ちを意味するものとなり、喪中にはふさわしくありません。
そのため、包装を依頼する際、喪中であることを伝えればショップ側で対応してくれます。
また、ネットショップの場合は、備考欄などに「喪中であること」を書き添えておくといいでしょう。
これは、先方が喪中の場合でも同様となり、お中元やお歳暮を贈っても問題ありません。
ただし、お相手の状況によっては、時期をずらすなどの心配りも必要です。
お中元・お歳暮の品はありがたく頂き、お礼状を添えて同等の品をお返ししましょう。
他界したことを知らない方から、故人宛にお中元・お歳暮が届くこともあります。
お礼状を書く際は、故人の永眠報告と連絡が行き届かなかったことへのお詫びを添え、感謝の気持ちも伝えましょう。
旅行
一般的に喪中の間や忌中期間であれば控える、またそのような意見も多いです。
これは、実際にそのような気分にならない方も多いためですが・・・
中には、身内が亡くなって間もない時期に旅行へ行くと、「不謹慎」・「喪中なのに・・・」といわれることを気にしての場合もあるようです。
しかし、旅行する本人にとって、
- 故人の供養目的
- 気持ちを整理したい
- 故人と訪れた場所で思い出に浸りたい
などの理由があれば、決して不謹慎とはならないと思います。
もちろん、旅行と法事などが重なるのでしたら、法事を優先させるべきです。
しかし、状況的にも問題なく、ご自身の気持ちが固いのであれば、旅行へ行かれても問題ないと思います。
行楽の旅行なら一周忌後です。
それ以前に行く人も増えていますが違和感を感じます。
ただし、親戚や近所の目が気にならないならありかもしれませんが、常識ない人と思わる可能性大です。
私は父が亡くなって5ヶ月後に旅行に行きまし、姉一家は4ヶ月後には行っていましたよ。
亡くなるまでの数年間は介護に追われ、ともに旅行はムリでしたので、久しぶりに家族でのんびり出掛けることが出来ました。
亡くなった父も、「楽しんでおいで」といってくれているはずと、勝手に思っています。
故人との関係やご家庭での事情など、人それぞれの考えがあるようですね。
新居の建築
家を新築・改築することは、お祝いに関わることになります。
そのため、忌中に取り行うのはできるだけ避けたほうがよいでしょう。
しかし、事前に予定されていたことで、時期を延期するのが難しい場合も。
悩まれる場合は、ご家族などに相談することをオススメします。
私の場合は、9月に建築の契約をし、10月着工でしたが同月上旬に義父が急死。
基礎工事がはじまる直前でした。
もうどうにもできなくて・・・喪主の義兄と義母に了解をいただいて着工へ。
いろいろいう人もいましたが聞き流し。
ただ、上棟式などは儀式程度としてお祝いはしませんでした。
このように、どうしようもない状況もありますよね。
父の四十九日が済んでいるし、母が後押ししてくれたので、父の死より1年たたないうちに引越しも済ませました。
親戚は皆反対しましたが、父の墓前に報告し許してもらったつもりでいます。
身近な方の後押しは心強いですね。
ただ、周りが反対というケースは多いようです。
引越し
喪中に引越しはNGという厳密なルールはありません。
しかし、中には、喪中の引越しは「避けたほうがよいのでは?」と、思われる場合も。
気になる場合は、忌中が終わるまで待たれるのがいいでしょう。
また、ご家族などに相談して意見を聞いてみるといいと思います。
喪が明けてもいないのに引っ越すなんて前代未聞だし、そんなの非常識。
せめて納骨が終わってからその時にまたゆっくりと考えればいい。
年代的によっては、このように考える方もいらっしゃるようです。
忌中期間が過ぎていれば、引越し祝いを贈っても問題ありません。
喪中の禁止事項は地域によって違うこともある?
地域によっては、忌明けまで
- お酒
- 魚肉類
- お茶
を控えるとしているところもあります。
古くは、「死者を出した家=けがれている」という神道による考えもあり、自宅に謹慎するしきたりがあったようです。
また、門戸を閉じ・酒肉を断ち・賀(が)せず・音曲をなさず・嫁とりをせず・財を分かたず、というようなしきたりも暮らしの中に息づいていました。
そのため、上記の「酒肉を断ち」などが、地域によっては今も受け継がれているようです。
まとめ
今回のポイントをまとめます。
- 喪中とは、故人を偲び、喪失感や悲しみを乗り越え、通常の生活へと戻っていく期間
- 忌中とは、故人を偲び、御霊(みたま)を鎮める期間
- 喪中の期間は、忌中を含む1年間
- 忌中の期間は、仏式→49日、神式→50日(故人との関係性による)
- 結婚式→基本的には、「忌中」の期間を過ぎていれば、結婚式を挙げても問題ない
- 合格祈願→忌中を過ぎれば問題ない
- 喪中のお正月には、年賀状を出さない
- 年始の挨拶では、「おめでとうございます」という挨拶は控える
- 神社での初詣は、忌中期間を過ぎていれば問題ない
- 年越しそばは、お祝い料理ではないので喪中であっても食べて問題ない
- おせち料理は、お正月の祝い料理となるため、喪中のときは基本的には控える
- 家の外の門松・しめ飾り・鏡餅などは控える
- お中元・お歳暮は、1年間お世話になった方に感謝、お礼の気持ちとして渡す品なので、とくに喪中とは関係がない
喪中は禁止事項が多い・・・と思われていたかもしれませんが、実は、喪中のなかの「忌中期間」が終われば問題ないことも多いのです。
また、「お祝い事」でなければ、問題ないものも。
ただし、年代やお住まいの地域などでは、「喪中」=「すべてを慎んだ控えめな生活にすべき」と考える方も多いようですから、周りとの調和を保つのが一番大変な点かもしれませんね。