はじめてのことで、失礼がないよう、どのような点を気をつけるべきですか?
気をつける点などをふくめて、弔問に関するマナーを詳しく伝授するわね。
なんらかの理由によりお通夜や葬儀に行けなかった場合、後日「弔問」に伺うことはあると思います。
しかし、滅多にはないことですから、疑問も多く・・・
「どのタイミングで伺うべきなの?」
「どのような流れで進めるべき?」
「挨拶の仕方がわからない!」
などなど、ちょっとしたパニックとなりそうですね。
そこで今回は、弔問のマナーに関して、
- 自宅へ訪問する際の注意点
- タイミング
- 当日の流れ
などを紹介しますので、参考にしてください。
葬儀後の弔問マナー 自宅へ伺う際の注意点!
まず、弔問(ちょうもん)とは、訃報を聞いて遺族宅を訪ね、お悔やみの言葉を述べることをいいます。
葬儀へ参列できなかった場合にのみ弔問するのが一般的であり、すでに葬儀や告別式で故人に別れを告げている場合には葬儀後の弔問を行わないのが一般的です。
故人のご自宅に弔問する際は、ご遺族に配慮し、以下の点に注意しましょう。
- 事前に連絡し、都合を聞いてから伺う
- 長居はせず早目に引きあげる
- 訪問を断わられたら素直に従う
上記に加え、失礼とならないようにすることが大切ですから、マナーをしっかり守る必要があります。
それでは、 葬儀後に弔問する際のマナーとして、
- 服装
- 持参する物
- 挨拶
についてそれぞれ紹介しますね。
服装
葬儀後の弔問では、喪服はマナー違反となります。
その理由は、以下の通りです。
- 葬儀や告別式を終え、ようやく日常生活に戻ろうとされているご遺族へ、葬儀を連想させる喪服で伺うのは失礼となるため
- 葬儀後で遺族も普段着となっているところへ喪服を着て行くと、ご遺族よりも格式の高い服装になってしまうので失礼となるため
以上の理由から、喪服は避け、落ち着いた色あいの服装にするのが一般的です。
たとえば、以下の様な服装にするのがよいでしょう。
- 男性の場合・・・スーツ・スラックスにジャケットなど
- 女性の場合・・・ワンピース・アンサンブルスーツなど
- 子供の場合・・・落ち着いた色あいなら普段着で大丈夫だが、ジーンズなどのカジュアルすぎるものは避ける
持参するもの
手土産などを用意する必要ありませんが、故人への供養として供物を持参することをオススメします。
お供え物として、お菓子・果物・花などが一般的ですが、故人が生前お好きだったものがわかっているのであれば、それをお供えするのもいいですね。
ただし、魚介類や肉類など、生ものは避けましょう。
もちろん、香典も持参することになります。
挨拶
弔問の際は、「この度はご愁傷様です」などの弔意を示す言葉をのべましょう。
また、ご遺族を気遣う言葉をかけることも大切です。
注意したいのは、亡くなった方の死因や病状などを詮索しないこと。
そして、ご遺族もなにかと忙しいだけではなく、まだ精神的にも落ち着いていませんので、長話しは避け手短に弔意を伝えることです。
また、ご遺族への配慮として声のトーンは抑えるのも大切となります。
弔問のタイミングは?葬儀前・葬儀後にわけて紹介!
弔問には、
- 通夜や葬儀・告別式の前に弔問する場合
- 通夜や葬儀・告別式の後に弔問する場合
の2通りがあります。
通夜の前に弔問する場合は、訃報を聞いてとり急ぎ駆けつけるケースです。
葬儀後に弔問する場合は、諸事情により通夜や葬儀・告別式に参列できなかった人が、しばらく後に故人の自宅に伺うケースとなります。
弔問するタイミングについて大切な点は、故人との関係性やご遺族の意向を尊重することです。
それでは、それぞれの場合について詳しく紹介しますね。
弔問のタイミング 葬儀前
お通夜・葬儀前の弔問は、よほど親しい親族や友人でなければマナー違反となります。
この時期、ご遺族は準備などで大変忙しくされているものです。
また、故人と最期の時間をご家族で静かに過ごされていることも多いでしょう。
そのため、通夜・葬儀前に訪問することは避けるのが無難です。
ただ例外として、ごく近しい親戚・友人・知人・ご遺族が承諾した場合は、通夜・葬儀前の弔問も可能でしょう。
ただし、訃報の連絡を受けた際、または伺う前に確認しておくことは大切です。
また、かなり親しい間柄にあたりますので、なるべくはやく駆けつけるほうがよいでしょう。
お悔やみの言葉とともに悲しみを伝え、故人との対面を終えたら、なにかお手伝いできないか申し出ると丁寧です。
なお、故人やご遺族との間柄によっては、ご遺族をお手伝いすることになるかもしれません。
そのため、女性の方はエプロン(白や黒などの無地)を用意しておくとよいでしょう。
弔問のタイミング 葬儀後
葬儀直後ですとご遺族の負担になりますから、ご遺族が少し落ち着いたころである、葬儀後数日~四十九日頃までに伺います。
気がねし過ぎて、葬儀から時間が経ちすぎると、ご遺族は弔問客を招く準備をあらためて行なうことになり、負担をかけてしまいますから注意しましょう。
また、ご遺族は弔問客を迎える準備などもあるため、かならず事前に連絡を入れてください。
弔問当日の流れは?葬儀前・葬儀後にわけて紹介!
ここでは、
- 葬儀前の場合
- 葬儀後の場合
にわけてそれぞれ説明しますね
葬儀前の場合
まず、大まかな流れは以下の通りです。
- 弔問に伺うことを事前に伝える
- 挨拶し、ご自宅にあげてもらう
- 長居はさけ早目に引き上げる
それぞれ詳しく説明します。
1.弔問に伺うことを事前に伝える
弔問をする際は、かならず事前に連絡をしておくことが大切です。
その際、伺ってもよい時間と場所も確認しておきましょう。
2.挨拶し、ご自宅に上げてもらう
玄関先でお悔やみの言葉を伝え、そのあとに故人と対面することになります。
この際、故人との対面は、ご遺族に促された時のみ行い、自ら対面を希望するのはマナー違反です。
もし、対面することに自信がなければ、丁寧にお断りするようにしましょう。
対面の流れは、以下を参考にしてください。
- 故人の枕元で、正座をして両手をついて一礼
- ご遺族が白布を外されたら両手をひざの上において対面し、故人に深く一礼、そして合掌
- 少しさがってからご遺族に一礼
のちほどお通夜や葬儀に参列するか、参列できないかで変わるのよ。
- 通夜や葬儀にも参列する・・・その際に香典を受付でお渡しする
- 通夜や葬儀に参列できない・・・枕飾りが設けてあればそちらに置く場合もあるが、ない場合は、後日郵送する
郵送する場の方法
郵送する場合の香典は、葬儀の2~3日後から1週間以内に送るのがベストです。
葬儀当日や翌日は、ご遺族もお忙しく郵便を受け取ることが出来ない場合もありますから、少し落ち着いたころに届くよう配慮するといいでしょう。
ご遺族は四十九日までに香典返しの手配を行います。
そのため、あまり遅くなると迷惑になってしまうので、遅くとも1ヶ月以内には届くようにしてくださいね。
3.長居はさけ早目に引き上げる
ご遺族の負担にならないよう長居することは避けましょう。
故人との楽しかった思い出などを簡潔に話し、早々に引き上げる配慮を忘れないでください。
葬儀後の場合
まず、大まかな流れは以下の通りです。
- 弔問に伺うことを事前に伝える
- 挨拶し、ご自宅にあげてもらう
- お線香をあげる
- お悔やみの言葉を述べ、香典・お供えを渡す
- 長居はさけ早目に引き上げる
それぞれ詳しく説明します。
1.弔問に伺うことを事前に伝える
弔問をする際は、かならず事前に連絡をしておくことが大切です。
その際、日時などを明確に伝えればご遺族への負担も軽減されます。
また、ご自宅へ弔問する前に、お通夜や葬儀の席へ弔電も送っておくとより丁寧です。
2.ご自宅にあがる
大切な点は、ご遺族に促されてからあがるようにしましょう。
自らあがることはマナー違反です。
まず、玄関先で言葉をかけ、葬儀に参列できなかったお詫びをします。
家にあがらない場合は、この時点でお悔やみを述べ、持ってきたものをお渡しましょう。
3.お線香をあげる
案内されたら、以下の手順でお線香をあげます。
- まずはご遺族へ一礼し、ひざ頭で仏壇の前へ進み、座布団に正座したら遺影に一礼
- かならずロウソクの火からお線香に火をつけ、左手でお線香をあおいで火を消し、合掌
ちなみに、お線香を立てるかどうかは宗派によって違いがあります。 - 合掌が済んだら、遺影に一礼し、ひざ頭を使い後ろへさがり、ご遺族に一礼
わかりやすい動画がありますので、こちらもチェックしておくと安心ですよ。
4、お悔やみの言葉を述べ、香典・お供え物を渡す
お線香をあげたのち、お悔やみの言葉を述べます。
お悔やみの言葉例文:
訃報を知らずに、伺うのが遅くなってしまい申し訳ございません。
どうぞムリなされませんように。
こころよりご冥福をお祈り申しあげます。
お悔やみの言葉は、故人の死を悼み、遺族を慰めいたわる気持ちが伝われば十分。
そのため、「このたびはご愁傷さまでございます」と簡潔にいうだけでも大丈夫よ。
また、このタイミングで、香典やお供え物など持ってきたものをお渡ししましょう。
なお、香典をお渡しする際は、袱紗(ふくさ)に包んで持参し、渡す際に袱紗から出すようにしてください。
相手から見て香典袋が正面向きになるように渡しましょう。
葬儀に参列できなかったための弔問です。
ご遺族の都合を考えると、「香典返し」を辞退したいと考えられる方もいると思います。
その場合は、香典に一筆添えるなどして、「香典返しを辞退」することをしっかり伝えましょう。
また、家族葬において、香典を遺族が辞退している場合は、葬儀後の弔問でも香典を渡さないほうがよいとされます。
5.長居はさけ早目に引き上げる
ご遺族の負担を考慮し、長く居座らないように注意してください。
最後にもう一度、「こちらで出来ることがあれば、いつでもおっしゃってください」などの言葉を添えると丁寧になりますよ。
まとめ
今回のポイントをまとめます。
- 弔問(ちょうもん)とは、訃報を聞いて遺族宅を訪ね、お悔やみの言葉を述べること
- 自宅に弔問する際は、ご遺族に配慮し、事前に連絡・長居はしない・訪問を断わられたら素直に従うように注意する
- 葬儀後の弔問では、喪服はマナー違反
- 弔問するタイミングについて大切な点は、故人との関係性やご遺族の意向を尊重すること
- 通夜・葬儀前の弔問は、よほど親しい親族や友人でなければマナー違反
- 葬儀後の弔問タイミングは、葬儀後数日~四十九日頃まで
- 弔問の際は、ご遺族に促されてから家にあがる
- 故人との対面は、ご遺族に促された時のみ行い、自ら対面を希望するのはマナー違反
ご自宅への個人的な訪問ですから、マナー違反な行いがあると、後々までその印象を引きずることにもなりかねません。
その反対に、マナーに沿った礼儀正しい行いができると印象もよく残るものです。
今回紹介したポイントを抑え、常識と配慮のある弔問を心掛けましょう。