それでは、喪服の種類や格を知っておくことは大切なので、詳しく紹介するわ。
喪服から浮かんでくるイメージは、「黒い服」だと思うのですが、その中で3つの格にわかれるのはご存知でしょうか?
この喪服の種類を知っておかないと、葬儀などへ参列する際にマナー違反となる可能性もありえます。
そこで今回は、喪服の種類や格をしっかり知っておきたい方必見!
喪服について
- 女性・男性別での種類
- 格式マナー
などを紹介します。
女性の喪服 種類を格式別に紹介!
喪服には、
- 正喪服
- 準喪服
- 略喪服
と3種類の格式があります。
このうちどの喪服を着用するかは、弔事の種類や立場によって変わりますから、その場面にふさわしい喪服の格式を事前に知っておくことは大切です。
それでは、3種類の喪服についてそれぞれ詳しく紹介しますね。
正喪服
正喪服を着るのは、喪主と三親等までの親族で、それ以外の親族は準喪服を着用します。
喪主側が着用するものですから、参列者は着用しないのがマナーです。
服装には、和装と洋装がありますが、格の差はありません。
それでは、和装・洋装にわけて紹介しますね。
和装
和装は、黒無地に染め抜きの五つ紋つきの黒喪服、黒喪帯。
和装における格は、「黒喪服・色喪服・黒喪帯・色喪帯」の各組みあわせで決まります。
これらの格式を「立場や場面」にマッチしたふさわしい装いをすることが大切です。
ちなみに、格の順番は・・・
「黒喪服と黒喪帯」→「黒喪服と色喪帯」→「色喪服と黒喪帯」→「色喪服と色喪帯」となり、左から順に格はさがっていきます。
五つ紋つきとは、「両胸・両袖・背中」の五ヶ所に、「家紋(染め抜き紋)」が入っているものです。
この紋に関しては、女性は実家の家紋をつけるという地域もありますから、事前にご家族や親戚の方などに、確認することをオススメします。
- 黒喪服・・・光沢や地紋のない黒無地の着物
- 黒喪帯・・・黒無地の袋帯・黒無地の名古屋帯
帯締めは、黒の平打もしくは、丸くげを使用し、一重太鼓で結ぶことが一般的です。
これは、悲しみが重ならないよう二重に結ぶことは避けるためであり、袋帯で二重太鼓を結ぶことはあまりありません。
小物(帯揚げ・バッグ・草履)はすべて黒にします。
草履は光沢のないものにし、革製草履であれば「革マット」などのツヤの少ないものがオススメです。
なお、長襦袢・半衿・足袋は白となります。
喪服の着物生地は、おもに袷・単衣・絽の3種類にわかれ、季節により以下のように使いわけが必要です。
- 10~5月まで・・・袷仕立
- 6・9月・・・単衣仕立
- 7・8月・・・絽の単衣仕立
ちなみに、1本の帯を夏冬兼用で使えるのが京袋帯で、表裏で夏用・冬用と使いわけることが可能となります。
遺族として葬儀に参列する場合、正喪服として着物をお持ちにならないことも。
その場合、レンタルも可能ですから、検討されるのもよいかと思います。
料金は、お着物の素材などで異なりますが、約10,000円程度からレンタルできるようですよ。
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洋装
洋装は、ワンピース・アンサンブル・スーツなどのブラックフォーマル。
胸元の開いたものは避け、襟の詰まったデザインを選び、極力肌の露出を抑え、透ける生地も避けましょう。
夏場でも、長袖か肘が隠れるくらいの袖丈が無難です。
また、スカート丈はくるぶし丈、短くてもひざの隠れる丈とします。
スーツを着用する場合、ブラウスは黒いものにしてください。
ストッキングは黒無地のものを使用します。
靴は黒の布製、または革製のパンプスにし、金具などの飾りがなく光沢のないもにのしてください。
喪服のストッキングに関する記事もどうぞ!
→喪服にタイツはダメ!?色やデニール数についても徹底解説!
喪服の靴に関しての記事も参考にしてくださいね。
→喪服の靴はぺたんこでもいい?金具や素材についても徹底解説
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準喪服
一般的に喪服というのは準喪服のことで、喪主側でも準喪服を着用するケースが増えています。
それでは、和装・洋装にわけて紹介しますね。
和装
和装は、色無地一つ紋の色喪服、黒喪帯。
- 色喪服・・・灰色・茶色・紺色・あい色など地味な色あいの色無地で、生地は光沢のない縮緬が無難
- 黒喪帯・・・黒地の帯
色無地は家紋が入らないと「普段着」となりますが、背中に入れた一つ紋により格があがり、準喪服(略喪服)としての着用できます。
帯締めも黒を使用し、小物(帯揚げ・バッグ・草履)もすべて黒にしてください。
洋装
洋装は、黒、もしくは地味な色のフォーマルスーツやワンピース。
正喪服と同様、極力肌の露出を控えたデザインにしましょう。
スカート丈は、やや長めのものを選びます。
ブラウスやシャツなどのインナーは、黒で襟元が詰まっているものを選びましょう。
スーツは、スカートとパンツスーツとありますが、どちらも準喪服として着用できます。
ただし、パンツスーツは喪服としてふさわしくないと考えている人もいるため注意が必要です。
また、黒であってもビジネススーツは準喪服にはならないので注意してください。
略喪服
喪主側から「平服でお越しください」などの案内が入った場合は、略喪服を着用するようにしましょう。
三回忌以降の法事や弔問、通夜に参列するときにも着用します。
それでは、和装・洋装にわけて紹介しますね。
和装
和装は、色喪服と色喪帯。
- 色喪服・・・紫、茶、藍、灰色など地味な色の紋付の色無地
- 色喪帯・・・くすんだ色の帯(色帯)や帯締め
洋装
洋装は、黒・紺・ダークグレーの無地、または、柄の目立たないワンピースやスーツ。
ダークカラーであればよいとされています。
また、柄(ストライプやチェック)も目だたなければ大丈夫ですが、カジュアルになり過ぎないよう、控えめな服装を心がけましょう。
ちなみに、ビジネススーツやリクルートスーツでも問題ありません。
その他、女性の喪服に関する記事も参考にしてくださいね。
男性の喪服 種類を格式別に紹介!
喪服には、
- 正喪服
- 準喪服
- 略喪服
と3種類の格式があります。
それでは、3種類の喪服についてそれぞれ詳しく紹介しますね。
正喪服
それでは、和装・洋装にわけて紹介します。
和装
和装は、紋付羽織袴で、羽織は黒羽二重、染め抜きの五つ紋。
ちなみに、仙台平(せんだいひら)、もしくは博多平(はかたひら)などの絹織物が格式高い袴となります。
帯は、地味な色の角帯 とし、襦袢(じゅばん)は羽二重の白かグレーにしてください。
羽織紐や草履の鼻緒、足袋の色は白、もしくは黒にしましょう。
草履は畳表つきのものにしてください。
洋装
洋装は、モーニングコート。
白いシャツ、コールパンツは黒の分量が多めな地味なものをあわせます。
ダブルカフス、シングルカフス、どちらでも大丈夫です。
ネクタイ・ベスト・靴下などすべて黒に統一、ベストの白衿は必ず取りはずして着用しましょう。
基本的にベルトは使用せず、サスペンダーを使うことが多いです。
モーニングコートは日中の正装となるため、通夜ではブラックスーツを着用するようにしましょう。
男性は喪主であってもブラックスーツが一般的であり、正喪服は、社葬など規模の大きい葬儀で代表者が着用することが多いです。
準喪服
一般的に喪服というのは準喪服のことで、喪主側でも準喪服を着用するケースが増えています。
洋装
洋装は、ブラックスーツ。
黒であればシングル、またはダブルでもとくに問題はありませんが、スリーピースならベストも黒に統一してください。
黒のビジネススーツを喪服として兼用するのは、厳密にいうとNGです。
喪服の多くは特殊な染め方をしており、高級な喪服や礼服ほど、深く濃い黒色となり、ビジネススーツの黒と比べると思った以上に差があります。
そのため、喪主や親族、近親者などの立場で着用する場合は、とくに注意すべきでしょう。
ワイシャツは白、ネクタイは黒無地でタイピンは基本的にはつけません。
ズボンの裾(すそ)はシングルにします。
ベルト・靴下・靴も黒にし、靴はフォーマルな紐靴がいいでしょう。
動画もどうぞ!
略喪服
喪主側から「平服でお越しください」などの案内が入った場合は、略喪服を着用するようにしましょう。
三回忌以降の法事や弔問、通夜に参列するときにも着用します。
洋装
洋装は、黒・紺・ダークグレーの無地または、柄の目立たないスーツ。
ワイシャツは白、ネクタイは黒無地でタイピンは基本的にはつけません。
なお、通夜の場合、黒ネクタイでなくてもよいとされていますが、近年は黒のネクタイで参列する人が多くなっています。
気をつけたい喪服の格式マナー
喪服は格式によって
- 正喪服
- 準喪服
- 略喪服
の3つにわけられましたね。
そして、一般参列者は、喪主側より格式が高い喪服を着用しないようにするのがマナーです。
そのため、もっとも格式が高い「正喪服」を着ることは避けてくださいね。
それでは、ポイントを抑えましょう!
正喪服
もっとも格式高い喪服
- 対象者・・・喪主、三親等までの遺族
- 弔事の種類・・・お通夜や葬儀、告別式、一周忌までの法事
準喪服
一般的な喪服
- 対象者・・・喪主や親族、一般参列者
- 弔事の種類・・・お通夜やお葬式、三回忌までの法事
略喪服
もっとも格式の低い喪服・平服
- 対象者・・・一般参列者や学生、子供
- 弔事の種類・・・喪主側から「平服」を指定された場合、急な弔問や駆けつけたお通夜、三回忌以降の法事
喪主や遺族が洋装の場合、和装の方が洋装よりも格式が高いという認識を持つ方もいらっしゃいますので、弔問客の方は着物の着用を避けたほうが無難でしょう。
喪主の夫がモーニングコートだった場合に、喪主の妻は和装でも問題ありません。
学生の制服、リクルートスーツなどは略喪服にあたります。
まとめ
今回のポイントをまとめます。
- 喪服には、正喪服・準喪服・略喪服と3種類の格式がある
- 「正喪服」は喪主側が着用するものですので、参列者は着用しない
- 正喪服は、もっとも格式高い喪服で、喪主や三親等までの遺族が、お通夜・葬儀・告別式・一周忌までの法事で着用
- 準喪服は、一般的な喪服で、喪主・親族・一般参列者が、お通夜・お葬式・三回忌までの法事で着用
- 略喪服は、もっとも格の低い喪服で、一般参列者・学生・子供が、喪主側から「平服」を指定された場合・急な弔問・駆けつけたお通夜・三回忌以降の法事で着用
喪服には・・・
- 「格」があること
- どの種類の喪服を着るかは、「弔事の種類や自身の立場」によって変わること
以上の2点を覚えておけば、マナーにそった装いができます。
そして、「正喪服」は喪主側が着用するものなので、参列者である場合着用しないことも覚えておきましょう。