実際どのようなことをいうのでしょうか?
それでは、その「追善供養」に関して詳しく説明するわ。
「追善供養」・・・
「供養」がつくので供養をすることだとは、なんとなくわかりますが、「追善」の部分で疑問になる方も多いのではないでしょうか?
実際私も、その点が疑問となったのはもちろん。
供養するのなら、「法要」や「法事」とはなにが違うのか?とも疑問になったりしたので、調べることにしました。
そこで今回は、追善供養に関して、
- その意味
- 法要・法事とは違うのか
- やり方
- お布施
などを紹介しますので、参考にしてくださいね。
追善供養とは?意味を説明
追善供養とは、故人に対して行う供養のことです。
ちなみに、読み方は、「ついぜんくよう」となりますよ。
供養=追善供養の意味で一般的に使われています。
つまり、お仏壇に手をあわせたりお経をあげることや、法要・法事を行うことなど、亡くなった方の供養全般を指すのです。
ただ、「追善供養」の「追善」が疑問になるのではないでしょうか?
この「追善」には、「死者の冥福(めいふく)を祈って善事を行うこと」の意味があります。
また、この「善事を行う」とは、弱者や貧しい者をいたわることを指し、ボランティアなどもこの意味に値しますよ。
以上から、「追善供養」の厳密な意味は、生きている者が善い行いをして、その功徳を故人へ振り向けるということになります。
つまり、故人亡きあと遺された者が善行をすることにより、亡くなった方への徳を積むことになり、極楽浄土へ行けるようにするものです。
また仏教では、「故人が徳を積むと、やがてその善行が生きている者に返ってくる」とされ、追善供養は故人を慰めるだけでなく、生きている者も救うことにつながると考えられています。
追善供養の種類
さきに述べました通り、追善供養は広い意味で使われているため、具体的にどのような種類があるのか整理してみましょう。
まず挙がる追善供養として、法要・法事があります。
遺族や親族が集まり、僧侶に読経をしてもらって、焼香をするというのがその供養のありかたです。
しかし、法要・法事だけを追善供養とするわけでありません。
供養とは、故人が成仏でき、あの世で安らかでいられるように祈ることです。
そのため、毎日お仏壇に手をあわせたり、お経をあげたりすることや、お墓参りをするということも立派な追善供養となります。
また、心の中で故人を思い対話することも追善供養をすることになりますよ。
つまり・・・
- 法要・法事など儀式として営まれるもの
- お仏壇に手をあわせることやお墓参りなど
どちらも追善供養となります。
ただ、「法要・法事など儀式として営まれるのも追善供養」とありますが、「法要・法事」=「追善供養」となるのでしょうか?
また、「法要」と「法事」は同じことなのかも疑問です。
それでは、その点に関してまず説明するわ。
一般的に「追善供養」=「法要・法事」と考えられることも多いようですが、意味あいとしては、
- 法要・・・僧侶にお経をあげてもらい、故人の冥福を祈るための供養
- 法事・・・供養とその後のお斎(会食)まで含むもの
以上のように、法要と法事には違いがあります。
「法要」と「法事」は同じと思われる方も多いようですが、法要には会食は含みませんが、法事は法要もお斎(会食)も含めた全般的な行事のことをいいますよ。
なお、「法要・法事=追善供養」と考える方、「法要=追善供養」・「法事=追善供養」と考える方など、いろいろな捉え方があるようです。
お斎(とき)に関する記事もどうぞ!
「追善供養」と「法要・法事」は、一般的には同義と捉えているのですね。
それでは、追善供養の種類にわけて説明するわね。
さきに述べたように、追善供養の種類として・・・
「法要・法事など儀式として営まれるのも追善供養」と「お仏壇に手をあわせることなども追善供養」とがありますので、それぞれにわけて説明します。
儀式としての追善供養
追善供養としての大きな儀式は、「忌日法要」と「年忌法要」になりますので、それぞれ説明しますね。
忌日(きにち・きじつ)法要(中陰供養(ちゅういんくよう))
故人が亡くなられてから四十九日までの期間を「中陰」と呼びます。
この間、7日ごとに法要(追善供養)が行なわれ、この7回行われる法要(追善供養)を忌日法要(中陰供養)といいますよ。
一般的に「初七日」・「二七日(ふたなのか)」・「四十九日」などがそれにあたります。
仏教では、亡くなられた方は、四十九日まで7日ごとに、あの世において生前の罪を裁かれるとされているのです。
その裁きがよい方へ進み、故人の霊が極楽浄土へ行けるように追善供養を行い、遺された者が善行を故人へ振り向けるが忌日法要(中陰供養)となります。
そして、最後の判決日である49日目は「満中陰(まんちゅういん)」と呼ばれ、この日をもって故人は来世を得るとされていますよ。
四十九日の忌明け後にはじめて行われるのが、百ヶ日法要なります。
百ヶ日には、「そろそろ故人のことを考え泣くことから卒業しよう」という意味が込められており、故人が亡くなった悲しみに区切りをつける日です。
この日、納骨を一緒に行うこともありますよ。
納骨について詳しくはこちらをご覧ください。
なお、浄土真宗では、人は亡くなったと同時に極楽往生すると考えられています。
そのため、中陰の法要は、故人をしのびながら、仏法に接する期間と捉えますよ。
年忌法要
年忌法要とは、亡くなった日(命日)から、1年目・3年目・7年目・13年目・17年目・23年目・27年目・33年目・50年目と、節目の年に営まれる法要です。
それぞれの年数をとって、その法要を「一周忌」・「三回忌」・「三十三回忌」というように呼びます。
ただし、一周忌法要は命日から満1年目となりますが、三回忌以降は亡くなった年を含んで数えるため、実際には2年目・6年目などの命日におこなわれますよ。
一般的には、一周忌から三回忌までは僧侶の読経が行われ、参列者を招待することが多いですが、七回忌以降では遺族などのごく親しい方達のみで故人を偲ぶことが多いようです。
また、故人が亡くなって33年、または50年が経過すると、故人の霊魂は祖先の霊と一体化し、一族を守ってくれるようになります。
そのため、三十三回忌、または五十回忌を最後に年忌法要を終了し、これを弔い上げ(とむらいあげ)と呼びますよ。
ちなみに、母親の七回忌と祖母の十三回忌のように、同じ年に2人以上の法要が重なる場合は、命日のはやい方にあわせて法要を同時に行うこともあります。
これを「合斎」(がっさい・ごうさい)といい、そうする場合には案内状や引物にもその旨を明記する必要がありますよ。
儀式ではない追善供養
上記のように儀式的ではなくとも、仏壇での給仕やお墓参りも追善供養として扱われます。
仏壇へ手をあわせる
自宅において、仏壇に手をあわせることも追善供養となりますよ。
たとえば、お仏壇に浄水やお米などをお供えし、可能ら自分で読経を行います。
仏壇を置く形式にこだわる必要はありません。
設置するスペースがなかったり、経済的な事情など、さまざまな理由で仏壇を置けないご家庭もあるとおもいます。
そんな場合、故人や先祖を偲ぶ気持ちがあれば、しきたりや習慣にとらわれなくてもよいという考えとして、手元供養がありますよ。
手元供養とは、故人の遺骨・思い出の品を供養の対象とし、自宅で供養すること。
たとえば、遺骨や写真、思い出の品などを一定箇所に置き、故人のことを思い手をあわせるのも手元供養になるのです。
手元供養に関する詳しい記事も参考にしてください。
お墓参り
お墓参りも追善供養となりますよ。
お参りの頻度に決まりはなく、毎日、あるいは毎シーズン、またお盆やお彼岸などにお線香やお花をお供えしてお参りします。
その際、墓石を磨いたり、お掃除をされるといいでしょう。
お寺への奉仕活動
仏様へのご奉仕も追善供養になります。
お世話になっているお寺のイベントや、お掃除などのお手伝いをするのもいいようです。
ボランティア活動
宗教にもとずかなくても、たとえばボランティア活動を行うことも、その時に故人の冥福を祈れば立派な追善供養になります。
これらのを自分の善行としてではなく、故人やご先祖に振り向けると考え念じながら行うことで、故人もご先祖も喜ばれ、自分自身の繁栄にもつながると考えられるようです。
追善供養のやり方は?(儀式としての追善供養のやり方)
なお、それ以外(お仏壇に手をあわせるなど)に関してのやり方は、種類の中で説明しているためここでは省略します。
忌日法要(中陰供養)
さきに述べましたが・・・
故人が亡くなってから7日ごとを忌日といい、この日に行われる法要のことを忌日法要といいます。
一般的に「初七日」・「二七日(ふたなのか)」・「四十九日法要」などがそれにあたりますので、それぞれの法要のやり方を説明しますね。
初七日
初七日(しょなのか)は、命日から7日目の法要です。
初七日は、亡くなったあと、故人が三途の川ほとりに到着する日といわれていますよ。
そのため、三途の川を渡れ、極楽浄土へ行けるよう祈るために法要が行われるのが「初七日」となります。
ただし、初七日は、葬儀・火葬から数日後となるため、「繰り上げ初七日」として葬儀後にあわせて行われる場合が多いです。
遺骨・遺影・白木の位牌を安置する中陰壇(ちゅういんだん)を設け、法要を行います。
僧侶の読経後、お斎(とき)とよばれる会席を設けるのが一般的です。
詳しくは、以下の関連記事を参考にしてください。
二七日・三七日・四七日
二七日(ふたなのか)・三七日(みなのか)・四七日(よなのか)と読みます。
それぞれ命日から14日目、21日目、28日目の法要です。
僧侶による読経・焼香は省略し、遺族だけで供養することが多くなっています。
もし法要を行わな場合も、中陰壇の前に座り、お線香をあげて供養しましょう。
五七日=三十五日
五七日(いつなのか)、三十五日(さんじゅうごにち)は命日から35日目の法要です。
地域によっては、この日を忌明けとすることも。
その場合、親族や友人を招き、僧侶に読経をしてもらいます。
六七日
六七日(むなのか)は、命日から42日目の法要です。
読経・焼香は省略し、遺族だけで供養することが多くなっています。
七七日=四十九日
七七日(なななのか)、四十九日(しじゅうくにち)は、命日から49日目の法要です。
忌明け法要となり、遺族は今まで通りの日常生活に戻りますよ。
家族や親族のほか、故人と縁の深かかった方々を招き、寺院などで僧侶に読経をしてもらいます。
この法要をもって、これまで使っていた白木の仮位牌から本位牌へとかわりますよ。
最近では葬儀当日に初七日を済ませることが多いため、四十九日は最初の大きな法要といえるでしょう。
決まった形式はありませんが、寺院で読経していただき、お斎(会食)を設けるのが一般的となります。
また、法要は忌日の当日に行うことが理想ですが、皆さんの都合にあわせて週末に行われることが多いようです。
ただし、法要の日をずらす場合は遅れてはいけないとされるため、忌日よりはやく行うようにしてください。
四十九日に関する詳しい記事も参考にしてください
百ヶ日
百ヶ日(ひゃっかにち)は、命日から100日目の法要です。
忌日法要と年忌法要を結ぶ法要となります。「卒哭忌(そつこくき)」とも呼ばれ、泣くことをやめ、悲しみに区切りをつける日とされています。
百ヶ日忌は四十九日法要とあわせて行ったり、遺族だけで行ったりするケースが多くなっていますよ。
年忌法要
年忌法要は、僧侶に読経と焼香、法話をしてもらった上で、お墓参りや会食があったりします。
一般的に四十九日で忌明けとされ、その後は定められた年ごとの祥月命日(故人の命日と同じ月日)に年忌法要を行うのが一般的です。
こちらも、それぞれの法要のやり方を説明しますね。
一周忌
一周忌とは、亡くなって満1年たった命日の時期に行われる法要です。
四十九日とともに大切な法要とされ、忌明けとなった一周忌からを、年忌法要といいます。
故人を偲び、冥福を祈るとともに、この一年を振り返る意味もありますよ。
遺族や親族、故人と親しかった友人を招き、供養を行ったあと、お斎(会食)をするのが一般的です。
一周忌に関する詳しい記事も参考にしてくださいね。
三回忌
命日から満2年目の法要となります。
遺族や親族をはじめ、友人や知人も列席することが多いです。
読経や焼香での供養を行ったあと、お斎(会食)を全員で行ないます。
一般的に一周忌より小規模で行いますよ。
七回忌
命日から満6年目の法要となります。
遺族・親族のみで読経と焼香の供養が行われ、お斎(会食)を全員で行なうのが一般的です。
ただし、このあたりから規模を小さくしていくことが多いですよ。
十三回忌
命日から満12年目の法要となります。
遺族だけで供養するのが一般的です。
十七回忌・二十三回忌・二十七回忌
それぞれ命日から満16年目、満22年目、満26年目の法要となります。
遺族だけで供養するのが一般的で、省略する場合も多いようです。
三十三回忌
命日から満32年目の法要となります。
遺族だけで供養するのが一般的ですが、生前交流のあった友人や知人が列席することもありますよ。
仏教では33年目にどんな人も無罪となって極楽浄土に行くとされているため、ここで弔い上げ(とむらいあげ)とし、年忌法要の最後とする方が多いです。
また、このくらい年月が経つと、故人を知る人がいなくなったり、喪主の高齢化などを理由にこれを最後とする方も多いようですよ。
三十七回忌・四十三回忌・四十七回忌
命日から満36年目、満42年目、満46年目の法要となります。
遺族だけで供養するのが一般的ですが、省略することも多いです。
五十回忌
命日から満49年目の法要となります。
遺族や親族のみで行うことが多いのですが、生前交流のあった友人や知人が列席することもありますよ。
お斎(会食)の準備をし、列席いただいた方々をもてなすのが一般的です。
ここで先ほどの弔い上げとする場合もありますよ。
百回忌
命日から満99年目の法要となります。
遺族のみで行われるのが一般的です。
三十三回忌、または、五十回忌で弔い上げとし、省略される場合も多いですよ。
毎回お布施の用意も必要なのでしょうか?
それでは、お布施の相場も紹介するわ。
追善供養のお布施相場
追善供養などで僧侶に読経していただいたら、お布施をお渡しします。
ちなみに、お布施とは、葬儀や法要の際にお経をあげていただいたことに対して感謝の気持ちでお渡しするもので、世間一般でいう謝礼や対価ではありません。
また、お布施以外にも、お車代や御膳料が必要となる場合もありますよ。
お布施の相場は、大きくわけて一周忌以前と三回忌以降で違いがあります。
ここで紹介するのはあくまで目安となり、寺院との関係や何回忌目なのかにより金額は変わるため明確な決まりはありません。
一周忌以前
たとえば・・・
- 初七日
- 四十九日
- 一周忌
のお布施の金額相場は 、30,000~50,000円です。
もし心配な方は、お寺に直接聞いても問題ではありません。
それが難しい場合は、ご家族や親族の方に聞いてみましょう。
三回忌以降
三回忌のお布施相場は、10,000〜50,000円ほどが一般的です。
基本的に、四十九日や一周忌より三回忌でお布施を減らしても問題ありません。
一般的に、法事などで必要となるお布施は、命日から月日が経つほど低くなる傾向にあります。
お車代やお膳料の相場
お寺以外で法要を行う場合、僧侶にご足労いただくことになるので、お車代を包むのが一般的です。
また、法要後のお斎(会食)に僧侶が同席されない場合にはお膳料を包むことになります。
お車代やお膳料の相場は、ともに5,000~10,000円ほどが一般的です。
まとめ
今回のポイントをまとめます!
- 追善供養とは、故人に対して行う供養のこと
- 「追善」には、「死者の冥福(めいふく)を祈って善事を行うこと」の意味がある
- 法要・法事など儀式として営まれるもの、お仏壇に手をあわせることやお墓参りなど、どちらも追善供養となる
- 一般的に「追善供養」=「法要・法事」と考えれれることが多い
- 法要は、僧侶にお経をあげてもらい故人の冥福を祈るための供養であり、法事は、供養とその後のお斎まで含むものと違いがある
- 追善供養としての大きな儀式は、「忌日法要」と「年忌法要」になる
- 儀式ではなくとも、仏壇での給仕やお墓参りも追善供養として扱われる
- 初七日・四十九日・一周忌のお布施の金額相場は 、30,000~50,000円
- 三回忌のお布施相場は、10,000〜50,000円
- 基本的に、四十九日や一周忌より三回忌でお布施を減らしても問題ない
- お車代やお膳料の相場は、ともに5,000~10,000円
追善供養は特別な儀式(法事など)のみを指すのではありませんから、普段の生活でも故人やご先祖を思い、善い行いをすることを心がけることからはじめてはいかがでしょうか?